2023年06月24日

6月23日公開映画(2)『遺灰は語る』

🎬『遺灰は語る』パオロ・タビアーニ監督、脚本/イタリア/90分


1934年にノーベル文学賞を受賞した文豪ルイジ・ピランデッロは、死の間際に、葬儀は行わず火葬にして遺灰を故郷シチリアも岩の間に埋めるように遺言を残すが、独裁者ムッソリーニは彼の名声を利用するため遺灰をローマの仮の埋葬場所に納められた。

戦後、ピランデッロの遺灰はようやくシチリアへ帰還することになった。シチリア島特使(ファブリツィオ・フェラカーネ)がその重要な役目を命じられる。しかし、アメリカ軍の飛行機に「遺灰」と一緒では不吉だと乗員は降りてしまい、仕方なく汽車に乗って陸路を行くが、途中、遺灰の入った木箱が消えてしまう。

43D586E1-A68F-41B0-B474-B46C276E1EB2.jpeg

イタリア映画祭で上映された作品。監督さんは『笑う男』『ひばり農園』の方

文学には詳しくないので分かりにくい作品だった。

汽車の中で遺灰が紛失して大探しするが、男たちのポーカーをするための台になっていた。

やっとの思いで故郷に着いた遺灰は、大人用の棺は熱病が流行したために無くなり「子供用の棺」で葬列をくむが「小人さんが死んだの?」という子どもの言ったことが、軽い笑いとしてさざなみのように広がっていった。




posted by ミッキー at 22:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月23日

6月23日公開映画(1)『To Leslie トゥ・レスリー』

🎬『To Leslie トゥ・レスリー』マイケル・モリス監督/アメリカ/119分

テキサス州西部に暮らすシングルマザーのレスリー(アンドレア・ライズボロー)は、宝くじに高額当選して賞金を手にするが、数年後にはそのお金を酒で使い果たしてしまう。

両親とは不仲なレスリーは、住んでいたモーテルを追い出され、逃げるように一人息子のジェームズ(オーウェン・ティーグ)ところに逃げ込む。息子は酒は絶対に飲まないことを条件にやむなく迎えてくれたが、同室の友人のお金を盗んでお酒を飲んだり、アパート内の男たちと遊んだり、とうとうそこも追い出されてしまった。

やむなく、かつての友人ナンシーとダッチ(アリソン・ジャネイ&スティーブン・ルート)のもとへ向かうが、酒に溺れる様子に呆れられて……。

143D80A0-AC4C-42EB-B323-F39CD9978D76.jpeg

主演のアンドレア・ライズボローは第95回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされている。酒飲みで、不潔そうな衣服を着て、身を持ち崩した中年女性を見事に演じ切っていた。昔からの友人のアリソン・ジャネイも良かった。

そんな彼女を見て、先はどうなるのかハラハラするが、1人の心根の優しい男で救われて人生が好転する……そんなに上手く行くのか?という思いが観終わって数時間経った今でも、頭から離れない。

素直に最後を「よかった! 」と思える人にとっては最高の作品だろう。

★息子が「マリファナはいいけど、酒は絶対に飲まないで」と母親に言っていたが聞き間違いだったかな。
posted by ミッキー at 22:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月22日

苦しみの中にある「救い」とは 7月1日公開『命の満ち欠け』

昨日の夜中に寒くて目が覚めた。少し熱っぽいので予約していたマッサージもいつも行く喫茶店もやめて一日中寝たり起きたりしていた。身体を温めないと行けないと思って野菜スープやうどんのクタクタ煮たものを食べた。今は37度で咳も出ないので大丈夫と思っているが、寒暖の差が激しいので気をつけて生活している。

🎬『命の満ち欠け』小関翔太、岸建太朗監督/105分/7月1日より新宿K’s Cinema他にて全国順次ロードショー公開

家族のことを考えずに、自分勝手に生きてきた兄・ショウタ(上原剛史)と、薬物依存で更生施設で暮らす弟・ユウサク(小関翔太)。

唯一の家族であった祖母が亡くなり、弟を施設から引き取り、一緒に暮らすことを決めたショウタ。彼は弟を救いたいと、弟の人生を基にした映画「命の満ち欠け」の脚本を書き始める。

一方、新しい生活に馴染めないユウサクは、次第に薬物の禁断症状に悩まされ、更正施設で起きた「事件 」のことが頭から離れなかった。

CF75BE77-E103-430D-B7DD-0DF6B0907D50.jpeg

小関監督は主演と脚本、岸監督は編集を担当している。

ユウサクは小さい時から「いやだ」「やめて」が言えなかった。そういう子はたくさんいると思うが、それがどんな経緯で薬物に依存するようになったかわからない。その時はおばぁちゃんも存命だったはずだ。

更生施設を出たのが30歳。辛い生活で心身の生育が停滞したのか幼顔が残るユウサク。家に帰った彼はゴミ集めの仕事に就くが口汚く罵られるばかり。こんな生活なら施設の方がいいのではと思うが、弁当屋でバイトする幼なじみの女性ミサト(加藤紗希)の存在で、少し明るさが出てきた。

しかし、薬物の闇はユウサクに纏わりついている。状況は先が見えないまま終わってしまうが、それだけ根が深いと感じた。

★兄ショウタの友人が「映画作りなど無駄だ、薬物やってる人が観にくるわけがない、それより弟を理解したいなら施設で働けよ」の台詞が印象に残った。
posted by ミッキー at 18:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする