2023年05月18日

(EUフィルムデーズ2023」のお知らせ 『イニシェリン島の精霊』『ケースのためにできること』

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欧州連合(EU)加盟国の在日大使館・文化機関が提供する作品を一堂に上映するユニークな映画祭。開催20周年を記念する本年もEU 加盟全27カ国が参加している。東京・京都・福岡・広島の4会場を巡回上映。

家族、愛や友情、環境や女性の生き方など、世界中の人々に共通するテーマを主に、昨年加盟候補国となったウクライナの作品も特別上映。EU各国の魅力を是非ご覧いただきたい。 詳しくは https://eufilmdays.jp/

上映作品の中で観たものニ作品を参考までにあげて見た。

🎬『イニシェリン島の精霊』マーティン・マクドナー監督、脚本/イギリス、アメリカ、アイルランド/109分

本土が内戦に揺れる1923年。アイルランドの孤島・イニシェリン島は、島民全員が顔見知り。妹と暮らすお人好しのパードリック(コリン・ファレル)は、長年の友人であるはずのコルム(ブレンダン・グリーソン)から突然「お前との無駄話する時間がもったいない、俺は死ぬまでにやりたいことがあるから」と絶縁されてしまう。

驚くパードリック、いつも2時に行く飲み屋の店主も村人も心配そうに見ている。妹のシボーン(ケリー・コンドン)や隣人ドミニク(バリー・コーガン)に相談するが、コルムから「これ以上自分に喋りかけると、自分の指を切り落とす」と言い渡されて……。

『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督の新作。第80回ゴールデングローブ賞で、マクドナー監督が最優秀作品賞、最優秀脚本賞。主演のコリン・ファレルに最優秀主演男優賞❗️2023年になって初の感動新作。一番気に入ったのは透き通った歌声。特に女声がよかった。まるで精霊のような歌声だった。

男2人の「大人になりきれていない」行動には、島ならではの特異な環境がそうさせるのかと思うが、結婚をしていないので半人前と思われている妹や隣人で少し幼いドミニクの方が、時には大人の行動やセリフがあった。


🎬『ケースのためにできること』モニーク・ノルテ監督/オランダ/87分/2014年

オランダのとある都市に住むケースは自閉症の44歳の男性。両親と兄2人の家族だが兄たちは独立していて今は3人暮らし。両親の助けでケースのこだわりの多い日常生活はこの歳になるまで滞りなく過ごすことができている。

ケースは不器用ながら口は達者で、監督に向かって「うちにくる時はミニスカートはやめてほしい、気が散ってしかたない」「扉を閉める時は静かに」と伝える。

そんな彼の趣味は自室で模型汽車を走らせること。日本語の漢字に興味があって日本語教師について学んでいるほどだ。

そんな一家にも年老いた両親が亡くなったら……という大きな問題が現実味を帯びてくるのだった。

posted by ミッキー at 08:05| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする