2023年04月21日

4月21日公開映画(1)『高速道路家族』

🎬『高速道路家族』イ・サンムン監督、脚本/韓国/128分

ギウ(チョン・イル)一家(身重の妻と長女8歳、長男4歳)は、テントで寝泊まりしながら高速道路のサービスエリアを転々として「財布を盗まれたので二万ウォン(2000円)を貸してください。必ず返します」と言ってお金を借り、名刺をもらって別れ、それで生活をしていた。

ある日、前にお金を借りたことのある中古家具屋経営のヨンソン(ラ・ミラン)と偶然遭遇。彼女は「詐欺だ」と警察に通報。だがヨンソンは残された彼の妻子を放っておけず、自分の家で面倒を見ることにするが……。

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日本ではちょっと考えられない設定。高速道路のサービスエリアは確かになんでも揃っている。温泉がついているところもある。でも寸借詐欺行為を続けようものならすぐに警察に通報される。

どんな理由があったかは後々わかるが、夫の行動に素直に着いてくる妻も言い方は悪いが考えが足りない。子らにとって見れば親は選べない。

夫が警察に突き出され、行き場のない母子を放っておいた警察もおかしい。後から「あなたたちを探したのよ」と言ってたが捜査をしっかりしていたのか疑問。

観ている間はハラハラしたが終わって冷静になったらちょっと無理な展開……とわかった。まあ、韓国映画だからムリ押しもきくのかと思うばかり。
posted by ミッキー at 11:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月20日

韓国学歴社会と南北朝鮮のしがらみを超えて 4月28日公開『不思議の国の数学者』

🎬『不思議の国の数学者』パク・ドンフン監督/韓国/117分/4月28日よりシネマート新宿、名古屋センチュリーシネマ他にて全国ロードショー公開

学問と思想の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソン(チェ・ミンシク)は自分の正体を隠して、名門私立高校の夜間警備員として働いていた。無愛想な彼は学生たちから避けられていた。

ある日、ひょんなことから、母子家庭特別枠で入学したジウ(キム・ドンフィ)の数学を教えることになった。

正解を導くだけに一生懸命になる進学熱に疑問を抱いていたジウに、問題を解く過程の大切さを教えてくれるハクソン。そんな彼に過去をあらわになる出来事が起こって……。

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『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクが主演。脱北した天才数学者と退学寸前の男子高校生の交流を描いた人間ドラマ。

チェ・ミンシクさんはいつも怖い顔の暗い役が多い。でも今作はいちごミルク好きの偏屈な数学者。日頃は警備員さん。先が読めてしまうのでストーリーには新鮮味はないが、チェ・ミンシクさんの教える「数学を解く道のり」に人生の苦難が詰まっているように感じた。

★キム・ドンフィはこの映画で第43回青龍映画賞新人男優賞を受賞。
posted by ミッキー at 20:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月19日

静かな映像から浮かび上がる子どもたち 4月29日公開『子どもの瞳を見つめて』

ゴールデンウィーク恒例のイタリア映画祭は有楽町朝日ホールに帰ってきた。広ーくなったので以前のように大勢の映画ファンが集まると思いきや2度も通知があったので、席の空き状況を見てみたら意外や意外。半分ぐらい。ゲストのときでも満員ではない。

体調のこともあってゴールデンウィークは伊豆高原で地味に10日間過ごそうかと思っているのだが、迷い中だ。行くとしたら最後の3日間ぐらいにしてそのまま名古屋に帰ると思うが……。

🎬『子どもの瞳を見つめて』瓜生敏彦、ビクター・タガロ監督/フィリピン/93分/4月29日より新宿K’s cinema他にて全国順次ロードショー公開

フィリピンの最貧困エリアに暮らす子どもたち9人の生活を追ったドキュメンタリー。

始まりのシーンは大きな岩を素手でハンマーを打ち下ろして砕いている。細かく砕いて水でさらしているが何か貴重な鉱物を集めでいるのだろうか。暑い炎天下でも帽子や靴はない。

大きな荷を運ぶ男の子、ダイオキシンの影響で水頭症になった男の子……。

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1日、仕事してどれだけの賃金をもらっているのか、こんな状況の中で学校に通っているので驚いた。

チラシに載っている大きな瞳の少女が私自身に向けられているようで居心地が悪かった。

カメラは静かにこの辺り一帯を撮っていて、子どもらの住む貧困地帯、ゴミの山、普通に暮らす街並みも遠景で映っていた。

★2018年のFAMAS賞(フィリピン映画芸術科学アカデミー賞)で、最優秀ドキュメンタリー賞と最優秀編集賞を受賞。同年のフィリピン映画批評家協会賞でも最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
posted by ミッキー at 20:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする