ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士・斯波宗典(松山ケンイチ)が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった。
検事の大友秀美(長澤まさみ)は、斯波が働く介護センターで老人の死亡率が異様に高いことを突き止める。取調室で斯波は多くの老人の命を奪ったことを認めるが、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」であると主張。大友は事件の真相に迫る中で、心を激しく揺さぶられる。

内容がほぼ書いてある「ネタバレチラシ」をお読みいただきたい。松山ケンイチは「純情・気色悪い青年」を静かに演じていてトリハダもの。長澤まさみは「きれいごとで押しまくる」検事。監督さんは『そして、バトンは渡された」の前田哲監督、脚本。
うがった見方をすれば医療現場では医療ミス、介護不注意で死に至らしめたなどは山のほどある。こんなに一度にやらなければバレないのでは?と邪推してしまった。
これほど純心に思い込んでやってしまう原因も描かれているが、釈然としない。
★去年Netflixでドキュメンタリーとドラマで2本、同じテーマの作品があった。これは現実に起きたことで大事件になった。
Netflix『キラーナース:その狂気を追跡する』
アメリカ・ニュージャージー州にある、サマセット・メディカル・センターに、チャールズ・カレンはICUに勤務し、経験豊富な看護師として信頼を置かれる存在だった。しかし、彼はアメリカ北東部の複数の医療施設で多くの患者を殺害してきた連続殺人鬼であった。彼を内部告発した同僚の看護師や捜査にあたった刑事のインタビュー、そしてチャールズ自身の肉声を交え、彼が有罪判決を受けるまでをドキュメントしている。
Netflixと一般上映『グッドナース』ジェスカ・チャスティン、エディ・レッドメイン共演。
どちらも見応えあり。一体何人の人を死亡させたのかわからないが、大病院の隠蔽体質がなくならない限り、どこの国で起こっても不思議ではない。