1990年代のロシア・モスクワ。フィンランド人留学生のラウラ(セイディ・ハーラ)は北端の地・ムルマンスクにあるペトログリフ(岩面彫刻)を見に行く予定だったが、一緒に行くはずの大学教授で同性の恋人イリーナ(ディナーラ・ドルカーロワ)に直前に断られてしまう。
一人で旅立つことにした彼女だったが、箱形の客室寝台列車の6号コンパートメントにはロシア人労働者リョーハ(ユーリー・ボリソフ)がいた。
彼の田舎者丸出しの粗野な振る舞いに嫌悪を感じたラウラは、なるべく関わらなく無視する態度をとるが……。

監督さんは『オリ・マキの人生で最も幸せな日』のユホ・クオスマネン監督。ロサ・リクソムの小説を原案にしたドラマ。
ミッキーはほとんど在来線で東京、伊豆高原、大阪に遠出する。外の景色をぼんやり見たり、読書したり、居眠り💤したりと嬉しいことづくめだが、時々「人」観察もする。これが結構面白い。上品そうな紳士でもエロに近い週刊誌を見ていたり、臭くはないが浮浪者?と思ってしまう年寄りが英字新聞を辞書をひきながら読んでいたり、初めの印象とガラッと変わることがある。
この映画は場所が箱部屋だから、それも寝台車。男女別ではないの? それに女車掌がツンケンしていて、やっぱりロシアだわ……と妙に納得。
是非是非、見ていただきたいから途中経過は(書きたい!)書かないが、終わってから「旅はいいもんだな、これで2人は終わってしまうのか」と残念と幸せ感が入り混じった気持ちになった。