🎬『対峙』フラン・クランツ監督、脚本/アメリカ/111分
アメリカのとある高校で生徒による銃乱射事件が発生し、多数の同級生が亡くなり、実行犯の少年も校内で自ら命を絶つ。
6年後、事件で息子を殺されたペリー夫妻(ジェイソン・アイザックス、マーサ・プリンプトン)はいまだにその死を受け入れられず、事件の背景に何があったのか知りたいという思いを募らせていた。そんな時、二人はセラピストの勧めで、事件を起こした加害者の両親(リード・バーニ アン・ダウド)と対面することになって……。
映画の内容を把握して本作を観たが、最初の話し合いの部屋をセッティングしている人がとても神経質になって落ち着かない様子だった。あまりこのシーンは必要でないと思ったが後からとてもいい始まりだったと感じた。
加害者、被害者も気持ち、6年の月日でどんな生活があったのか、どんな思いで過ごしてきたのか、そんなことが対話の中で浮かんできた。
一言ひと言を「相手を傷つけないように、労わるように」発していくが、燻っていた怒りが時々抑えきれなくなる瞬間もあった。
見ていて、6年の月日は当事者以外は「忘れてしまう」頃、だがこの2組のご夫婦は、夫婦という形態が変わっても、生活が変わっても、ずっと6年、同じ繰り返しの日々だったろう。
夫婦のあり方を問うているような面が強く感じられた。
★俳優である監督さんが脚本も手がけているが、初監督作品の見事な会話劇に脱帽した。4人の俳優さんも見事だった。