2023年02月16日

DVD『白痴』

今日、試写で『生きる LIVING』を観せてもらった。黒澤明の『生きる』のDVDが見たくなって探したが見つからず『白痴』が出てきたので、見ることにした。これもいい味わいの映画だった。

DVD『白痴』黒澤明監督/1951年/166分 

沖縄から復員して来た亀田欽司は、癲癇性痴呆性で白痴だと自ら名乗る無邪気な男だった。
青函連絡船の中で赤間伝吉という男と知り合いになる。
伝吉は、政治家東畑の囲い者・那須妙子にダイヤの指環を贈ったことから、父に勘当されたが、
その父が亡くなったので家へ帰るところだった。


欽司は札幌に着いて、写真屋に飾られた妙子の写真を見せられ、その美しさに涙を流すほど感動した。


欽司も亡き父から遺された牧場があったが、親戚の大野が横領した形になっているが、
欽司は一向にそんなことには気にかけず、大野から香山睦郎の家へ下宿させてもらう。


その香山睦郎は、東畑の政治的野望の邪魔になって来た妙子を、持参金つきで嫁にもらうことになっていたが……。

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こう書いてみると、なかなか込み入ったストーリー。だが脚本がいいのでよくわかった。
原節子は娼婦的な美しさで、『麦秋』や『東京物語』のイメージと違う。


それより久我美子がとっても理性的で美しい。
白痴を演じた森雅之のどうかするとわざとらしい演技に見えてしまう痴呆ぶりを清らかさに演じていた。



★原作は19世紀のロシアを舞台としたドストエフスキーの小説 『白痴』 昭和20年代の札幌に舞台を置き換えている製作した作品。

posted by ミッキー at 20:24| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月15日

『ジェラール・フィリップ 最後の冬』

🎬『ジェラール・フィリップ 最後の冬』パトリック・ジュディ監督/フランス/66分

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1940〜50年代のフランスを代表する国際的スターとして大活躍したが、1959年に肝臓ガンのため36歳の若さでお亡くなりになった俳優ジェラール・フィリップ。彼の生い立ちから死までを追ったドキュメンタリー。

フランスの作家・ジャーナリストのジェローム・ガルサンの著作「ジェラール・フィリップ 最後の冬」を基にして、パトリック・ジュディ監督が手がけた。日本語ナレーションは、俳優の本木雅弘。

始まりは二人の子どもと海で遊ぶジェラール・フィリップ。体は細身ではあるが筋肉質でしなやかな体つきだった。彼の魅力は瞳。いろんな感情がその瞳に宿るとまるで魔法にかかったような気分になる。

周りに華やかな美しい人が大勢いた彼だったが、結婚した奥様は、子連れ、歳上、学者という知的な方で、ジェラール自身の人を見る目があったことがわかった。

それ以外に、対ナチスのレジスタンス運動へ参加していたことなど、知らないこともたくさんあったし、ご家族とのプライベートの貴重なフィルムもたくさん見ることができた。

★お子たちは今どうなさっているのか、調べてみたがわからなかった。
posted by ミッキー at 11:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月14日

主役は富岡町の動物たち 2月25日公開『劇場版 ナオト、いまもひと りっきり』

🎬『劇場版 ナオト、いまもひと りっきり』中村真夕監督、撮影/日本/95分/2月25日より渋谷イメージフォーラム他にて順次公開予定

原発事故によって町全部が避難地域になった富岡町で、ただ1人、動物たちと残った松村直登さん。2015年に撮った『ナオトひとりっきり』からその後7年間を追ったドキュメンタリー。

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荒れたままの富岡町。牛、馬、イノシン、ダチョウ、豚、犬、猫たちが打ち捨てられているのを見かねて1人、町中の動物たちに餌を与え続けている。

呼べばよってくる牛、悠然と歩くダチョウ、それぞれに話しかけてナオトは見回りをしている。言葉は時には乱暴になるが、彼の行動からは常に動物に対する「愛情」が伝わって来た。

桜並木の元でナオトは「放射能とコロナって似ている。地震の時は東京にくるなって言われた、今度はこっちが東京からなぜ来た?と言うべ」と面白おかしく話すナオトさん。また5年後、10年後にお会いしたい。
posted by ミッキー at 21:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする