🎬『ヒトラーのための虐殺会議』マッティ・ゲショネック監督/ドイツ/112分
1942年1月20日。ベルリンのバンゼー湖畔に建つ大邸宅にナチス親衛隊と各事務次官が集められ、「ユダヤ人問題の最終的解決」を論議する会議が開かれた。
「最終的解決」とは、ヨーロッパにいるユダヤ人を計画的に抹殺することで、国家保安部代表ラインハルト・ハイドリヒ(フィリップ・ホフマイヤー)を議長とする高官15名と秘書1名により、移送、強制収容、強制労働、計画的殺害などの方策が異論すら出ることなく淡々と議決された。
会議は約2時間弱(?)で1100万人ものユダヤ人の運命が決められた。
第2次世界大戦時、ナチス政権が1100万人のユダヤ人絶滅政策を決定した「バンゼー会議」の全貌を、アドルフ・アイヒマンが記録した議事録に基づいて映画化したもの。
ほぼずっと会議の映画。ドイツナチスのことが頭に入っていない方にはちょっと理解できないと思うが、こうやって会議で決まって暗黙のうちで、ユダヤ人がガス室で600万人以上が虐殺されていったのかと思うといたたまれない気持ちになった。
その最終的解決「虐殺」の工程を落ち着いた(少し得意げとも感じた)様子で説明するアイヒマン(ヨハネス・アルマイヤー)がいた。
ニュールンベルグ法を作ったストゥッカート博士だけは法律は曲げないと強弁に反対していたが、その本意は最終的解決を阻止するとは違うものだった。
★現在はヴァンゼー会議記念館として残っている。
★フランク・ピアソン監督の2001年の『謀議』もヴァンゼー会議の内幕を描いた映画も見てみたくなったが、これはアメリカ、イギリス映画。今作はドイツなので、ドイツ語の音の強さが突き刺さるように感じた。