🎬 『母の聖戦テオドラ・アナ・ミハイ監督、脚本/ベルギー、ルーマニア、メキシコ/135分/1月20日よりヒューマントラスト有楽町、シネマカリテ、センチュリーシネマ他にて全国ロードショー公開。
メキシコの北部に暮らすシェロ(アルセリア・ラミレス)は、二十歳の愛娘ラウラ(デニッセ・アスピルクエタ)と二人暮らし。若い女に走った夫(アルバロ・ゲレロ)とは別居中。
おしゃれな娘はママにも化粧をして上げてから、いそいそとボーイフレンドとデートに出かけた。だが娘を見るのがこの時が最後だった……。
メキシコの殺人、誘拐多発は耳にしている。友人が15年前にメキシコシティに団体旅行に行った時、ガイドさんからホテルのタクシーを利用すること、晩の外出は禁止と言われたと教えてくれたことを思い出した。現在はどうなんだろう。
「国の恥や惨さ」がきつく描かれている。夫の昔からの友人、夫の若い妻、娘の恋人……周りの人が裏の組織と繋がっているのではないかなど、いろんな疑惑が浮かんで来るシェロの疑心暗鬼は観ている者も巻き込んで来た。
印象に残ったシーンは、娘が、さあ、デートに行くわとゴムでしばった長い髪からゴムを取って豊かな髪になった時の輝く美しさと、反対に母親が長い髪をバッサリ切るシーンが目に焼き付いている。