2022年12月26日

ドキュメンタリー3題『百姓の百の声』『浦安魚市場のこと』『たまねこ、たまびと』今池シネマテークにて

🎬『百姓の百の声』柴田昌平監督、撮影、編集/130分

お百姓さん(放送禁止用語だとか)彼らが畑で、ビニールハウスの中で、何と格闘しているのか、何を考えているのかをベテランお百姓さんに話を聞きながら描かれている。ちょっとやそっとでは解決できない様々な矛盾を、経験から得た独自の工夫で克服する姿を映している。

『千年の一滴 だし しょうゆ』の柴田昌平監督(来場❗️)が「食」の原点である「農」をテーマに、全国の農家の人々の知恵や工夫を教えてくれるドキュメンタリー。

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いやいや、勉強になった。「法人農山漁村文化協会」という組織も「現代農業」という雑誌も知らなかった。種の交換会も、種勾配の様子も普段見ることができない場所を見せていただいた。



農山漁村という協会なら「漁」もあるのかな? もしあるなら次回作はそちらのことを教えてほしい。

🎬 『浦安魚市場のこと』歌川達人監督、製作、録音、撮影、編集/98分

かつて漁村だった千葉県浦安では、1953年に浦安魚市場協同組合が発足。しかし、1958年に発生した本州製紙江戸川工場悪水放流事件(黒い水事件)の影響で、漁業権を放棄した浦安は埋立地になる。

1971年に現在の浦安駅から徒歩数分の場所に移転した浦安魚市場は、業者への卸しだけでなく一般の人々への販売も行ってきたが、2019年3月31日に閉場する。

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映像作家・歌川達人の初の長編ドキュメンタリー作品で、2019年に3月に閉場した千葉県浦安市の浦安魚市場と、周辺に暮らす人びとを追ったドキュメンタリー。

魚店経営の威勢のいい森田さんはロックバンド「漁港」でめっぽう勢いのある歌声で驚かせてくれた。ファンもいて掛け声で応援していた。イキがいいのは魚だけじゃない、市場で働く人々もそこに買いに来るお客さんもみんな明るくイキがよかった。

市場は無くなって周りの方々の食卓がどう変わったか、その後を見てみたい。

🎬『たまねこ、たまびと』村上浩康監督、製作、さつえ、編集/91分


東京都と神奈川県の間を流れる多摩川には昔から多くの猫が遺棄され、飢えや台風などで命を落としている。なかには心ない人間によって虐待を受ける猫もいる。

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今公開中の『猫たちのアパートメント』(チョン・ジェウン監督/韓国)のソウル遁村(トゥンチョン)団地にいた250匹の猫がどんなに幸せ猫であったか改めてわかった。この二つのドキュメンタリーを見ると猫たちの天国と地獄だ。

虐待を受けた傷跡や惨たらしい映像もあって気持ちが塞いでしまった。多摩川河川敷に住むホームレスたちとダブるとこもあった。監督さん過去作の『東京干潟』『蟹の惑星』のユーモアがないので、観る前の「身構え」がなく、ショックは大きかった。

★写真家の小西修さんは30年以上、猫たちをカメラに収めながら、猫を世話するホームレスやボランティアの人びとと交流し、救護活動を続けている。今作は小西の活動に2年間密着。多摩川に生きる猫と人の知られざるコミュニティを描き、命の尊さをドキュメントしている。


posted by ミッキー at 11:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする