今日、夕方に大須観音方面に散歩がてら行ったら、大須シネマが1000円で短編3本の上映があったので入ってみた。名古屋某大学の映画学科の作品。3作品とも非常に出来が悪く、お金はともかく時間の無駄だった。いつもは3、4人の入りだが、親戚や友人だらけでほぼ満員だった。口直しで家にあったDVDを見た。
DVD『砂の器』野村芳太郎監督/143分/1974年
6月のある早朝、国鉄蒲田駅操車場に扼殺死体が見つかった。被害者の年齢は五十〜六十歳だが身元不明で捜査は難航した。警視庁の今西刑事(丹波哲郎)と吉村刑事(森田健作)は必死に聞き込みをした。
つかめた情報は、蒲田駅前のバーで被害者と酒を飲んでいた若い男が重要参考人として浮かび上ってきたが、そのホステスたちの証言で二人は強い東北弁で話していて、「カメダはどうですか・・・」という言葉だけが分かった。
人の姓と思い東北地方のカメダ姓を調べるが該当者はなかった。今西は地名ではないかと「秋田県・亀田」という土地名を手がかりにして調べ始める。
これは映画館で2度、テレビでも一度見ていたが、渥美清さんが伊勢ひかり座の映画館支配人として登場したのだ。(今まで、なにを観ていたのか…)この古い映画館に飾ってあった写真が事件の鍵をとく重要な場面だった。
その時代の業病を背負って放浪する父子。それを助けた男との縁が捻れねじれた末の殺人事件。
和賀英良(加藤剛)は新進の作曲家であり、ピアノも上手い設定。どうしてお金のかかる作曲(ピアノ以外に弦楽器、管楽器も習得しないといけない)やピアノを、彼の波乱の人生の中で勉強できたか疑問は残るが、戦後の日本の混沌とした世情がしっかり描かれていた。