🎬『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』ウィル・シャープ監督、脚本/イギリス/111分/伏見ミリオン座にて
イギリスの上流階級に生まれたルイス(ベネディクト・カンバーバッチ)は早くに父を亡くし、母と5人の妹たち一家を支えるため本の挿絵やイラストレーターとして働き出すが、お金に対して無頓着でいつも貧乏な暮らしに甘んじていた。
そんな家庭だったが母親が下の妹たちに家庭教師エミリー(クレア・フォイ/『ザ・クラウン』のエリザベス女王役の方)を住み込みで雇う。ルイスは勉強なら自分が教えるとすぐ断ろうとするが、エミリーの凛とした眼差しや受け答えに好意を持ち、しばらく居てもらうことにした。
それからまもなく二人は愛し合うようになるが、身分違い、歳の差(エミリーが10 歳ほど上)で家族親戚の猛反対を受ける。
そんなことには怯まないルイスは結婚。家を出て二人だけの幸せに浸るが、エミリーに末期ガンを宣告されてしまう。そんな時、庭に迷い込んできた子猫を飼ってピーターと名づけ、エミリーの慰めのために子猫の絵を描き始める。
今日、午前中にチョン・ジェウン監の12月23日公開『猫たちのアパートメント』をオンライン試写で見ていて、午後からルイス・ウェインさんの描いた猫たちを見た。猫づくしの一日ってわけだ。今から150年以上前の方だがミッキーは知らなかった。どちらかというとダヤンの猫に似ているところがあったので親しみやすいが、ギョッとする形相の猫たちもいた。
結婚数年でガン宣告受けてもルイスは茫然自失だがエミリーは「やっと、人生に光がさしてきたのに…‥」と呟いただけで落ち着いたものだった。それからしょげている夫に「猫」を描き続けることを約束させて、亡くなる。
ルイスは描き続けることによって人と人の交わりが出来たことを、死の間際に悟り、妻の深い愛に……あ、最後まで書いてしまった。
★エンドロールに出てくる猫たち絵は素晴らしいものだった。