1967年8月に茨城県・利根町布川で起きた強盗殺人「布川事件」で、冤罪で無期懲役判決を受けた桜井さんと故・杉山さん。20歳から29年間にわたって獄中生活を強いられた。
2011年に無罪判決、21年には国家賠償裁判で完全勝利を収めた。しかし、2019年には末期ガンで余命1年の宣告を受ける。だが3年が過ぎた現在も精力的に全国を駆け巡って冤罪撲滅運動をしている。

この事件は2011年にドキュメンタリー『ショージとタカオ』(井手洋子監督、撮影、編集)でよく知っていた。タカオさんはお亡くなりになって、ショージさんはガン宣告を受けても伏すことはなく、冤罪に苦しんでいる人を元気付けている。
刑務所生活も楽しく過ごそうと率先して体を動かしていたと語ってくれた。驚く精神力の持ち主だ。事あるごとに「自分ほど幸せな人はいない」と明るく言っている。
数奇な運命を生きてもなお、弱音を吐かないショージさんに1日も長く生きてほしいと願うばかりだ。
★監督さんは2014年『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』、2016年『袴田巖 夢の間の世の中』、2018年『獄友』を作られたかた。