2度もノーベル賞をもらったキューリー夫人なら子どもの頃伝記を読んだりして知っているつもりだったが、いろんな問題が降りかかって大変な人生だったことが改めてわかった。休日なので6割のお客さんだった。
映画に中で舞踏家ロイ・フラー(『ザ・ダンサー』)が出てきて、キューリー夫人と接点があったようだ。そして青白く光る文字盤時計の工場の女たちを描いた『ラジウム・シティ〜文字盤と放射線・知らされなかった少女たち〜』も思い出した。ラジウムを発見した功罪が的確に描かれていた。
🎬『パラレル・マザーズ』ペドロ・アルモドバル監督、脚本/スペイン、フランス/123分/伏見ミリオン座にて
女性中堅写真家のジャニス(ペネロペ・クルス)と17歳のアナ(ミレナ・スミット)は、同じ日に同じ病院で娘を出産する。入院中から気が合って親しくなり、ともにシングルマザーとして生きていく2人は、再会を誓って携帯番号を教え合って退院する。
ジャニスは娘にセシリアと名付けて夢中で可愛がるが、たまに来る妻子持ちの彼は一目見るなり「誰に似ているのだろう」という言葉が気になってDNA鑑定を行ったところ、セシリアに血のつながりがないことが判明する。
そして1年後、ジャニスは近くにレストランで住み込みで働くアナに偶然会う。そして彼女の娘が突然死で亡くなったことを告げられる。

スペインのペドロ・アルモドバル監督は『オール・アバウト・マイ・マザー』『ボルベール 帰郷』の作品でペネロペ・クルスさんとタッグを組んできた方。本作は、同じ日に出産を迎えた2人の母親の物語を描いた人間ドラマ。
映画の始まり5分ほど、スペイン内戦の遺骨発掘調査の話だったので違う映画に来てしまったかと不安になった。
この映画には2つの視点があって、一つひとつが一本の映画になる重みがある。それは赤ちゃん取り違えの映画とスペイン内戦の映画。
それが名匠ペドロ・アルモドバルによって見事に融合され、80年以上も土に眠る遺骨と産まれてきた子どもたちにまで繋がって「未来」に向かっていくことを見事に描かれていた。