2022年11月15日

フランス映画祭2022年のお知らせ 『EIFFEL』『あのこと』を少しずつ

伊豆高原の紅葉は後10日もすると見頃を迎えるようだ。苔むし石階段にはツワブキが咲いている。今度来るのは多分フランス映画祭の前後になる予定。

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文藝春秋の12月号(今、店頭にある号)に映画の対談が二つもあった。

★石川慶監督×妻夫木聡『ある男』
★有働由美子×寺島しのぶ『あちらにいる鬼』

迷わずコンビニで買って読んだが、公開中、今週公開予定の作品に思わず「なるほど、そうだったのか」と思う部分があった。

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1993年に始まり、今年で記念すべき30回目を迎えるフランス映画祭。 今年は12月1日(木)から4日(日)の4日間、横浜で開催される。

詳しくは https://unifrance.jp/festival/2022/films-list/

🎬オープニング作品『EIFFEL』マルタン・ブルブロン監督/フランス、ドイツ、ベルギー/108分


建築家・ギュスターヴ・エッフェル(ロマン・デュリス)は、1889年開催「パリ万国博覧会」のシンボルモニュメントの制作をフランス政府より依頼される。本人は都市開発の地下鉄の仕事をしたいと希望していたが、条件をつけて引き受けることにした。

今もパリといえばエッフェル塔だ。その完成までの苦難苦慮が描かれている。そしてギュスターヴが忘れることができない「愛する人」の巡り合いもあって、女心を刺激される。ついこの夏に公開された『キャメラをとめるな!』とは正反対のデュラスが良い。

★来年3月公開予定

🎬『あのこと』オードレイ・ディヴァン監督/100分

1960年代、フランス。成績優秀な大学生のアンヌ(アナマリア・ヴァルトロメイ)は予期せぬ妊娠をし狼狽する。学位と未来のために今は産めない。中絶は違法で医者はその話になると相談にも乗ってくれない。アンヌはあらゆる解決策に挑むが……。

ハラハラドキドキが極まって身体が硬直した。公開日に感想を書きたい。

★主演のアナマリア・ヴァルトロメイさんはセザール賞最優秀新人女優賞受賞。2022年のベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞を受賞。
★12月2日(金)Bunkamuraル・シネマ他 全国順次ロードショー
posted by ミッキー at 08:37| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月14日

Netflix『キラーナース:その狂気を追跡する』

昨日、ネットニュースで、スティーブン・スピルバーグ監督の米映画「ターミナル」で俳優トム・ハンクスが演じた主人公のモデルとなったことで知られるナセリさんがお亡くなりになった。

ナセリさんは1945年、イラン南西部フゼスタン州生まれ。母親を探すためイランから空路ロンドン、ベルリン、アムステルダムへ渡ったが、必要書類を提出できずに、入国を拒否されて行き場を失い、88年11月からドゴール空港の片隅で生活するようになった。

支援者から食料や医療の提供を受け、99年に難民認定され、フランスの滞在資格を取得した。当局者によると自然死と発表された。

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TM & (C) 2004 DREAMWORKS LLC

2004年の映画だが克明に覚えている。飛行場にある押しぐるまを集めて小遣いにしていたり、空港から一歩も踏み出せないもどかしさ思いをしたり、苦労の連続に同情した。

それからの展開もトム・ハンクス主演で作ってほしい❗️


Netflix『キラーナース:その狂気を追跡する』ティム・トラヴァース・ホーキンズ監督/イギリス/94分

アメリカ・ニュージャージー州にある、サマセット・メディカル・センターに、チャールズ・カレンはICUに勤務し、経験豊富な看護師として信頼を置かれる存在だった。しかし、彼はアメリカ北東部の複数の医療施設で多くの患者を殺害してきた連続殺人鬼であった。彼を内部告発した同僚の看護師や捜査にあたった刑事のインタビュー、そしてチャールズ自身の肉声を交え、彼が有罪判決を受けるまでをドキュメントしている。

ジェスカ・チャスティン、エディ・レッドメイン共演『グッドナース』と、その実際の事件を描いたドキュメンタリー映画『キラーナース:その狂気を追跡する』の両方が、Netflixでやっている。

どちらも見応えあり。一体何人の人を死亡させたのかわからないが、大病院の隠蔽体質がなくならない限り、どこの国で起こっても不思議ではない。

病院とは違うが、そのむかし、学校の問題の先生も学校から学校へ2、3年でたらい回しにしていたこともあったのを思い出した。

ドキュメンタリーの最初と流れる歌は♪マイ・オンリー・サンシャインで長調の曲が短調に「移旋」されていた。



posted by ミッキー at 09:15| Comment(0) | DVD Netflix | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月13日

隅における男 11月18日公開『宮松と山下』

🎬『宮松と山下』佐藤雅彦、関友太郎、平瀬謙太朗監督、脚本、編集/87分/11月18日より新宿武蔵野館、銀座シネスイッチ、名古屋伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開

京都の撮影所でエキストラをする宮松(香川照之)は、時代劇の切られ役をはじめ、店で飲んでいて喧嘩に巻き込まれて死ぬ役、ヤクザの抗争で撃たれるなど、日に何回も殺され役を演じている。

生真面目で寡黙な彼の私生活は地味。しかし、彼は過去の記憶を一切失っているのだ。医者(黒田大輔 )にもかかっているが、精神的なものが大きいのではと言われる。

そんな彼の元に、ある日、男(尾美としのり)が訪ねてきて「やっぱり、山下だ!」と懐かしそうにするが……。

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(C)2022「宮松と山下」製作委員会

映画に見入っていると「はい、カット!」などと声が入るので「あー、よかった。撮影だった」とホッとして力が抜ける。

撮影所まで来た男は12年前に勤めていたタクシー会社の同僚で、テレビに出ているのを見て調べて来たらしい。その元同僚が「妹さんは家庭を持っている」という言葉に日を改めて「故郷と言われた地」を訪ねていく。

ここから過去がどんどん露わになるのだが、本人は半信半疑。しかし「過去」は身体が、味覚が、紫煙が覚えていて……。この先は是非、劇場で宮松、いや、山下と一緒に過去を遡っていただきたい。

★3回ほど音楽が入る。その音の一部が「無機質」な音色で、それが失った記憶の「閉ざされた」部分のように感じた。
★3人の監督さんも色々な分野の若手の方も切磋琢磨して出来上がった作品。
posted by ミッキー at 04:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする