2022年10月30日
第35回東京国際映画祭2022(6)『ザ・ビースト』『あつい胸騒ぎ』
🎬『ザ・ビースト』ロドリゴ・ソロゴイェン監督/スペイン、フランス/138分/コンペティション部門
スペインのガリシア地方の山間の村に、自然農法をしたいためにこの地に移住したフランス人中年夫婦のアントワーヌとオルガ(ドウニ・メノーシュとマリーナ・フォイス)がいた。夫婦は毎日、喜びを持って農作業に明け暮れていた。
だが貧困の村人たちは、風力発電の地元誘致にやっきになっていて、それに反対する夫婦に暴力的な制裁をするようになる。特にすぐ隣の独身のアンタ兄弟の狂暴さには毎日の暮らしも脅かされて……。
見ごたえあり!山奥の田舎で「すぐ隣」なら歩いて10分くらい(もっとか?)という感覚だが、このお隣は庭続きでほんの2、3分。あまりの酷さにアントワーヌは小型ビデオカメラを買って応戦するようになる。
これ以上書けないが、ミッキーの周りの方々が観ていなかったので思いがけない「拾いもの」をした感じで嬉しくなった。ご夫婦像としてもミッキーの好み!
★監督さんの前作は『おもかげ』 元夫と旅行中の幼い息子から電話を受けた母親は、息子が一人で海辺に取り残されていることを知る。10年後、息子が失踪した海辺のレストランで働く母親は息子によく似たフランス人の少年と出会う。これも好きな作品だった。
🎬『あつい胸さわぎ』まつむらしんご監督/93分/Nippon Cinema Now部門
とある港町で暮らす千夏(吉田 美月喜)と母・昭子(常盤 貴子)は二人仲良く平穏に暮らした。
念願の大学に合格した千夏は創作課題「初恋の思い出」の事で頭を悩ませていた。そんな時、初恋の相手である川柳光輝(奥平 大兼)と再会したことで浮き立つ想いを感じていた。
一方、母の昭子も職場に転任してきた木村 (三浦 誠己)の人柄に惹かれはじめていて、同僚の花内 透子(前田 敦子)にからかわれていた。
そんなある日、千夏に乳がん検診の再検査の通知がきて……。
胸も、恋で高なるのと乳がんでは、天と地の差。こんな可愛い女の子が可哀想……。
女の子病のテーマなら山(?)ほどある。正直、期待せずに観たが、女3人(常盤貴子、前田敦子、吉田美月喜)の相性がとっても良かった。脚本が高橋泉さんと知ってなるほどと思った。
最後に画面と合わせて流れる歌も作品にピッタリ。監督さんはセンスがいい❗️