2022年10月26日
第35回東京国際映画祭2022(2)『あちらにいる鬼』『彼方に閃光』
🎬『あちらにいる鬼』廣木隆一監督/139分/ガラ・セレクション部門
女流人気作家・長内みはる(寺島しのぶ)は、講演旅行で知り合った作家・白木篤郎(豊川悦司)と男女の仲になる。篤郎の妻・笙子(広末涼子)は夫の奔放な女性関係に気付きながらも、夫婦として表向きは穏やかな生活を続けていた。しかし、みはるにとって篤郎との関係は「書くこと」を通して、なくてはならない存在となっていく。
作家・井上荒野が、自分の父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の関係を題材に同名小説を、『ヴァイブレータ』『やわらかい生活』の廣木隆一監督ーが、寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子で映画化。
『ヴァイブレーター』『やわらかい生活』の廣木監督✖️寺島しのぶコンビの第三弾。ねっとりとした肉体の絡みも、情念もあって「大人」の映画そのものだ。広末涼子の感情を抑えた演技が出色。
この恋愛の果てに仏門に入ることになった瀬戸内寂聴。今年の5月に公開された『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』のドキュメンタリーの中でもサラッとこの時の話が入っていた。
★今映画祭で廣木隆一監督作品が『母性』『月の満ち欠け』『あちらにいる鬼』と3作品がガラ・コレクション部門で上映される。「ガラ・セレクション」とは、世界の国際映画祭で話題になった作品、国際的に知られる巨匠の最新作、本国で大ヒットした娯楽映画など映画祭を盛り上げる日本公開前の最新作がプレミア上映される作品。
🎬『彼方に閃光』半野喜弘監督、原案、脚本/169分/Nippon Cinema Now部門
生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光(ヒカリ)は、彼の世界は「音」だけ。いつもカセットテープに自分の世界を日記のように録音してゆく。
母の説得で治る見込みのある手術を受けたが、色はなく、モノクロの世界の中で光(眞栄田郷敦)は20歳になった。高校時代から、写真家・東松照明(1930-2012)の作品に強く惹かれ長崎に旅に出る。
どこで一風いかがわしい自称革命家の男・友部(池内博之)と話があい、ドキュメンタリー映画を作ろうという話になって……。
少し欲張って長めだが、大変、志が高い作品。原爆、沖縄戦の話や写真家・東松照明(名古屋市出身❗️)についての知識がベースにあるとないとでは、この作品の評価が違ってくる。観客を選ぶ作品。
主演の光を演じるのは千葉真一さんの息子さん。スッキリとした顔立ちに美しい眼……出ずっぱりの役も頑張っていた。
★いい流れの話の途中で「同性愛」が入ってきて、なぜか分からないががっかりした。
★最後に唱歌「ふるさと」を3番までアカペラで歌ってくれた。お声が渋くてつぶやくように歌っていたのが印象に残った。
★ローバ・ミッキーもどうぞよろしく。
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