🎬『スペンサー ダイアナの決意』パブロ・ラライン監督/ドイツ、イギリス/117分/10月14日よりTOHO シネマズ日本橋、名古屋伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開
1991年のクリスマス。ダイアナ妃(クリステン・スチュワート)は、クリスマスを祝うために王族が集まるエリザベス女王の私邸サンドリンガム城に、一人、車を運転して向かう。途中、道に迷いレストランに入って「ここはどこですか」と聞く。お店の全員が「ダイアナさんよ……」と言ったきり驚いて声も出ないほど。
間もなく城に着くが皆勢揃い。チャールズ皇太子(ジャック・ファーシング)との関係は冷え切っていて、不倫や離婚がうわさされているにも関わらず誰もそのことには触れない。
ダイアナは、子どもたちと一緒にいる以外は自分らしくいられる場所がない。精神的に追い詰められて、やがて彼女は、ある「決断」を下す。
まだ王族の関係ある方々がご存命なのに……と、観るまではそう思った。が、意外とそこの所は杞憂だった。特にダイアナさんの公的な「私生活」がよく描かれていた。
映画の始まりは3日間の料理材料の運搬、まるで軍事訓練のようで、入れ替わりに料理人が登場で個人個人の好みに合わせて綿密な調理をする。この台所?場面が数回出てくる。ここだけでも観た甲斐があった。
ダイアナさんの洋服も朝の食事用から夜の晩餐まで札が付けられ順にきていくだけ。そんなのが毎日続けば……。クリステン・スチュワートが見事にダイアナを演じきっていた。