🎬『土を喰らう十二ヵ月』中江裕司監督/111分/11月11日より新宿ピカデリー、名古屋ミッドランドスクエアシネマにて全国ロードショー公開
初老の作家のツトム(沢田研二)は人里離れた長野の山荘で一人暮らしをしている。山の実、きのこなどを採り、畑を耕して作った野菜を料理して、季節のを感じながら、原稿を書いている。
時々、担当編集者であり恋人でもある真知子(松たか子)が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子とふたりで、旬のものを料理して一緒に食べるのは至福の時間だ。
若い恋人がいて、悠々自適な暮らしをするツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいて……。
味わいのある作品。手作りの料理がたくさん出てくるだけではなくて、全体に流れる四季の移ろいがとっても丁寧に描かれている。
それに沢田研二の名優ぶりに驚いた。優しい眼差し、声は柔らかく小さいのにセリフがしっかり聴こえる。野菜の髭根の泥を落とすところも「生きているもの」として扱っていた。
火野正平、奈良岡朋子の語り口にも痺れた。これは日本映画ベストテンに入る❗️