🎬『バビ・ヤール』セルゲイ・ロズニツァ監督、脚本、編集/オランダ、ウクライナ/121分
1941年6月、ナチス・ドイツ軍は独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻。占領下のウクライナに支配地域を広げ、9月19日にはキエフを占領。
9月24日、キエフで多数の市民を巻き込む大規模な爆発が発生。
その爆発は、ソ連秘密警察がキエフ撤退前に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆破したものだったが、疑いの目はユダヤ人に向けられた。翌日、キエフに住むユダヤ人のせん滅が決定され、9月29日から30日の2日間で、キエフ北西部の「バビ・ヤール渓谷」で3万3771名のユダヤ人が射殺された。
『アウステルリッツ』『国葬』『粛清裁判』の監督作品。第2次世界大戦時、独ソ戦の最中にウクライナの首都キエフ(キーウ)郊外で起きた「バビ・ヤール大虐殺」を描いたドキュメンタリー。
セルゲイ監督の作風はわかっているつもりだが、説明がほとんどないので前知識は必要だと感じた。ウクライナの過去の歴史にこんな複雑な流れがあったり、大虐殺があったりしたことは知らなかった。いいように扱われていた国という感じを受けた。
つかわれたフィルムは誰が撮ったものか、国が撮ったものか判然としないが、処刑場面や自分はどうして生き延びることができたのかを話す場面は当分忘れそうもない。