天才的な金庫破りのシッカン(ヘンリック・ドーシン)は、仲間とやった「バキューム吸い上げ小銭泥棒」で失敗して、ひとり刑務所へ小1年送られてしまう。
出所には家族同然の仲間が出迎えてくれたが、シッカンは出て来たばかりなのに、次なる盗みを心に決めていた。それは「フィンランドの王冠」を狙うこと。だが仲間たちが足を洗うと言い出しシッカンの家から出て行くが、そんなことでは諦めない彼は1人で実行することに……。

『ぼくのエリ 200歳の少女』『裏切りのサーカス』とコメディには無関係と思っていたトーマス・アルフレッドソン監督。スウェーデンで国民的人気を誇るコメディ映画「イェンソン一味」を原案に製作したクライムコメディ。
個性的な俳優さんばかりで盗むのも大したものではないが、王冠だけは今までとは違うようだ。その王冠の中央についた宝石がお宝で、夏至祭り前日の白夜のストックホルムで、王座を夢見る男、大企業の重役と息子などが絡み合って、シッカンたちはお宝を手に入れようと奔走する。それもオーケストラの音に合わせて作業する展開で(これは目新しくないが)ハラハラさせるが、コメディ度は平凡。
スウェーデン語やフィンランド語の北欧言語の「音」が心地よかった。