関西クィア映画祭は、2005年より開催されているセクシュアルマイノリティの暮らしと生き方をテーマにした作品を上映する映画祭。14の国・地域から、全部で28作品を上映! 世界初上映が5作品、日本初上映7作品、関西初7作品。
★大阪 9月2日から8日まで シネマート心斎橋
★京都 9/23(休・金)24(土)25(日)
ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川
(9/24(土)夜オールナイト)
詳しくは https://kansai-qff.org/2022/
🎬『アグネスを語ること』チェイス・ジョイント監督/カナダ、アメリカ/75分
1958年に、ジェンダーに関するUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究に参加したトランス女性のアグネス。彼女の存在は最近まで「例外な事例」と思われてきたが、2017年に他の参加者の記録が発見される。その中の数人の資料を基に、現在のトランスジェンダーたちが演じているドキュメンタリー。
約60年以上前にジェンダーに関する研究や当事者たちのインタビューなどがあったとはさすがアメリカだ。そんな時代にアグネスは進んで研究に参加。お偉い教授たちの価値ある存在を利用して超有名人に。他の当事者たちも個性豊かで「自分の性について黙っている」時代に堂々と考えを述べていた。
🎬『リトル・ガール』セバスチャン・リフシッツ監督/フランス/85分
男性の身体で生まれたサシャは2歳を過ぎた頃から違和感を訴え始めたが、母親はそれを気に留めることなく過ごしていた。だがその後も訴え続けるサシャに、家族みんなが理解するようになった。しかし学校では女の子としての登録が認められなかった。
サシャは7歳になってもありのままに生きることができずにいて、そんなサシャを受け入れてもらおうと両親が学校や周囲へ働きかけるが……。
男の子の身体に生まれ、女の子になることを夢見ているサシャと、サシャの幸せを守るために奔走する母親と家族の戦いで「幼少期のトランス・アイデンティティ」に焦点を当てたドキュメンタリー。
🎬『未来は私たちのもの』フェラズ・シャリアト監督/ドイツ/93分
イラン系移民の両親を持つ青年パーヴィス(ベンヤミン・ラジャブプル)は、両親が小さいスーパーマーケットを経営していて安定した環境で育った。パーヴィスは時々スーパーを手伝うが、父親から店のものを無断で持っていくので叱られている。
その他の時間はゲイの出会い系アプリで知り合った男と遊んだり、ライブやパーティで退屈な日々を紛らわしていた。
そんなある日、飲み屋で高級な酒を持ち出したことがばれて、社会奉仕活動をするハメになったパーヴィスは、難民施設で通訳として働くことになった。これも難民の話す言葉の訛りが強くお手上げ状態。
その難民施設で、イランからやってきた姉弟のバナとアモン(バナフシェ・フールマズディとアイティン・ジャラリー)に出会う。
この作品をゲイ映画と頭に置いて見るのと移民の多い(国民の約3割)ドイツ映画と見るのでは相当違うと感じた。どちらかというとゲイ映画としての比重が大きと思う。
最後の歌、そしてエンドロール画面が良かった。