🎬『帰らない日曜日』エヴァ・ユッソン監督/イギリス/104分/5月27日よりヒューマントラストシネマ有楽町、名古屋ミッドランドスクエアシネマ他にて全国ロードショー公開
1924年。暖かな3月の日曜日。その日、イギリス中のメイドたちは年に一度の里帰りが許される〈母の日〉。だがニヴン家で働く孤児院育ちのジェーン(オデッサ・ヤング)に帰る家はなかった。
そんな彼女と秘密の恋愛関係がある近隣の名家アプリィ家の跡継ぎポール(ジョシュ・オコナー)から誘いが来る。
彼は、幼馴染のエマとの結婚式を控えているが、婚約者や親族が集まる昼食会など遅刻するつもりで、邸の寝室でジェーンと抱き合う。やがてポールは「ここには4時まで誰も帰ってこないからゆっくりしていくといいよ」と言いおいて昼食会へ行く。
ジェーンは広大な無人の館を、一糸まとわぬ姿で見てまわり、台所にある料理やケーキをつまみ食いして、久しぶりの自由な時を過ごす。
イギリスの当時の田園風景が素晴らしかった。
そんな中で身分違いの男女が密かに愛し合う。そのシーンも美しく優雅に描かれている。だが二人はどちらもわきまえていて、この愛がこれ以上に発展するとは思ってもいない。
もし、その後に何事もなかったら、避妊もしない女は妊娠して悲惨な人生を歩み、作家にはならなかったはず。「死」がいろんなことを美化しているようで映画に入り込めなかった。