今日『エリザベス 女王陛下の微笑み』の試写だった。半生をたどるドキュメンタリー。でも「駆け足」だった。90分を150分ぐらいにしてじっくり見せてほしかった。公開は来月。また改めて載せる予定
🎬『小さなからだ』ラウラ・サマーニ監督/89分
20世紀初頭のイタリア北東にある海辺の村。若い妻アガタ(チェレステ・チェスクッティ)は初めて産んだ女の子が死産だった。産声もあげなかったので洗礼も受けられず悲嘆にくれていた。
村の男イニャクから「死んだ赤子に洗礼を受けさせてくれる教会がある。ドライス渓谷に行け」と言われて、埋めてあった遺体を掘り起こし、箱に入れて、一人で山奥の渓谷に向かう。
静かな作品だった。産声もあげなかった(ひと呼吸もしない)赤子には洗礼は受けられない。受けられないと永遠に地獄をさ迷うと信じていたアガタは必死に木箱を大切に抱えて渓谷を目指すが、途中、木箱に金目のものが入っていると勘違いして近づく若者や、途中で乗せてもらった馬車が盗賊にあったりして辛い旅路になる。
それでも、あまり悲愴感はなく見終えたのは、アガタに最後まで同行した若者(オンディーナ・クワドリ)の気持ちの変化に寄るところが大きい。
🎬『マルクスは待ってくれる』マルコ・ベロッキオ監督/90分
『夜よ、こんにちは』『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女 で知られるマルコ・ベロッキオ監督の半生を描いたドキュメンタリー。
ベロッキオ監督は双子でベロッキオ監督がまず産まれて、双子とはわからず4時間後に弟のカミッロが産まれた。死産と思ってすぐに司祭を呼んで洗礼を受けた(先に見た『小さなからだ』にも通じる)。その後で息を吹き返して教会で正式に洗礼を受けた。
双子で産まれた二人がたどる道は、世界に有名な映画監督、もう一方は親の望む測量士をいやがり体育教師となった。だが弟カミッロは29歳で自死。
ドキュメンタリーは監督の実姉たちの家族、友人、愛人の妹等々が当時をふりかえっている。
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★1作品1500円の価値はある!作品。