🎬『ニトラム』ジャスティン・カーゼル監督/オーストラリア/112分
1990年代半ばのオーストラリア・タスマニア島。観光しか産業のない土地で両親と暮らす青年ニトラム(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)は、幼いころから周囲になじめず孤立し、同級生からもバカにされてきた。
そんな息子にガミガミと干渉する母親(ジュディ・デイビス)、母親から庇うように優しく接する父親(アンソニー・ラパリア)の家庭だったが、思い通りにならない人生を送っていた。
小遣いかせぎのために芝刈りのアルバイト先で、数頭の犬を飼っている金持ちの中年女性ヘレン(エシー・デイビス)と出会い、意気投合して同居するまでになった。
ずっと観たいと思っていたが時間が合わず、今日になってしまった。ミッキー好みの実話物。
1996年4月28日、オーストラリア・タスマニア島の世界遺産にもなっている観光地ポートアーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件を映画化。事件を引き起こした当時27歳だった青年が、どうして犯行に至ったのかを克明に追っている。
母親の心配する気持ちはミッキーにも伝わって来たが「突き詰め」過ぎで、父親は優しい人だが、幼い男の子に銃を与えていた優柔不断な男。この神経質で変人の青年のボサボサの長い髪、いつも着ている白いセーターなどが、彼の精神状態を表していた。
★主演の青年ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは2021年・第74回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞している。
★オーストラリアはこの事件をきっかけにして気軽に銃が買えなくなったらしい。