2022年05月22日

オンラインでイタリア映画祭(4)『ある日、ローマの別れ』

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🎬『ある日、ローマの別れ』エドアルド・レオ監督、主演/116分

小説家のトンマーゾ(エドアルド・レオ)は、仮名で恋愛相談コラムも書いていた。ある時、女性から「付き合って10年ほどになる男を、傷つけずに別れるにはどうすればいいか」と相談があった。 なんと、相談者は長い間付き合ってきたゾエ(マルタ・ニエト)だった。

一方、トンマーゾの友人夫婦は奥様が市長になってしまい、家庭生活のすべてが夫が背負うことになり不満がたまってしまい……。


どこの国のどんな年齢層のご夫婦にも当てはまる作品。相手の気持ちを「理解」できるのは「隠さず話せる」関係がある時だけ。その関係が崩れたり、生活」が大きく変わった時。

変化するのは仕方ない。不安や不満をため込まないで小出しにしてやり過ごすしかないが、そう簡単なことではない。

それにこの「二つのカップル」の立場が男女反対なら、なんの問題にもならない。そこのところが腹立たしい限りで、世界中どこでも起こり得ることだからこそ「新鮮味」のないテーマとも感じた。


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2022年05月21日

オンラインでイタリア映画祭(3)『アメリカ・ラティーナ』『そして私たちは愚か者のように見過ごしてきた』

今朝、テレビ「チコちゃんに叱られる!」を見ていたら、その昔、スパゲッティは手掴みで食べていたと言っていた。そういえば昨日見た『笑いの王』の舞台上で手掴みで食べているシーンがあった。喜劇だからそうなのかと思ったが違っていたようだ。今日は引き続きイタリア映画祭をオンラインで楽しむ予定。

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🎬『アメリカ・ラティーナ』ディンノチェンツォ兄弟監督/92分

中年の歯科医マッシモ(エリオ・ジェルマーノ)は家の玄関を開けるとすぐ曲がりくねったドッグランができるように、工夫を凝らした素敵な屋敷に美しい妻と女の子2人の4人家族で住んでいた。

そんなある日、用事があって別棟の地下室に降りていくと手足を縛られ口輪をはめられた少女が恐怖に震えていた。

どうしてここにいるのか、名前は?どこから来たのか?と聞いても悲鳴をあげるばかりだった。寒そうな様子だったので暖かい服に着替えさせて、歯科医院に出かけるが、少女のことが気になっていつものように治療できないマッシモだった。


ミッキーも「誰かに妬まれて少女を地下室に入れて彼を貶めようとしたのか」とか「誰かがおいていったのか」など考えながら見ていたが、意外な終わり方で幕となった。

サスペンス度は高いが見終わってみたら「それ」を暗示する出来事や場面がなかった。それがあれば「そういえば、あのシーンがそうだったのか」と気付かなかったうかつさを面白がるのに、l唐突すぎて残念だった。

🎬『そして私たちは愚か者のように見過ごしてきた』ピエルフランチェスコ・ディリベルト監督/108分

大企業の管理職のアルトゥーロ(ファビオ・デ・ルイージ)は、自分が開発したアルゴリズムによって解雇された。 美人の恋人にプロポーズをしようと有り金のすべてを使っていて文無し。もちろん恋人にはふられる。

アパートも広いところに変えたばかりなので、同居人(大学勤務の男が来た)を募集したり、新しい働き口をさがしたりと会社解雇や失恋の痛手を感じる暇もなく右往左往していた。

そんな48歳の彼が見つけた仕事は配達人、いわゆる日本のウーバー・イーツだった。機械化、電子化、オンライン化された世の中にホログラムまで登場する悲喜劇。48歳まで何していたの?と言いたいが、彼の性格はどちらかというと人の良いのんびり型だから、48歳まで独身だったのだろう。

貧しい者は睡眠時間を削って身体を酷使して働き、お金持ちは一層お金持ちの図式は変わらない未来社会を見せてもらった。笑いも時にはひきつった笑いになった。

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2022年05月20日

オンラインでイタリア映画祭(2)『笑いの王』『内なる檻』

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🎬『笑いの王』マリオ・マルトーネ監督/133分

19〜20世紀にかけてナポリの喜劇王として人気を博したエドゥアルド・スカルペッタの人生を描いている。エドゥアルド・スカルペッタを演じたのはトニ・セルヴィッロ(イタリア映画界の大御所俳優で『内なる檻』にも主演)

133分、ほとんどでずっぱりのトニ・セルヴィッロさん。表情、しゃべりは一流の喜劇役者として不足はないが、家族関係がちと分かりづらい(オンラインで1週間何回も見ることができるが)のが不満。 緊張感が途切れてしまった。

🎬『内なる檻』レオナルド・ディ・コスタンツォ監督/117分

閉鎖が決まった刑務所が舞台。各方面の刑務所に振り分けられて明日は引っ越しという時に、ある1グループが行く刑務所が事情があって数日延びたので、12人の受刑者と刑務官15人だけ取り残されてしまった。

食事当番も無くなりケータリンサービスを頼むことにしたが、そのグループにはくせ者もいて、まとめ役になった刑務官・ガエターノ(トニ・コスタンツォ)は押し寄せる難題に平静を装いながら四苦八苦する。


大声で台詞を言って喜劇役者を演じた『笑いの王』のトニ・コスタンツォさんは、この作品で寡黙で刑務官としての冷静さを失わない男を演じている。

まずいケータリンサービスの食事に、刑務官たちは「この味ならまあまあ食べれないことないなぁ」と言っているのに、受刑者たちは「こんな豚のエサ、食べれるか!」とハンガーストライキを始める。おやおや、受刑者たちの方か口が肥えているようだ。

相対する二組の人間が、その後歩み寄るが、それは書かないでおく。これも1500円の価値はあると思う。
posted by ミッキー at 17:35| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする