2022年03月17日

第17回大阪アジアン映画祭(6)『アミラ』『縁起良き時(第1話)』

昨夜の深夜、福島県で大きな地震があった。東京も大層揺れたそうだ。今後1週間ぐらいは余波もあるかもしれないのでご注意ください。

DB800925-7436-4D2F-8EDE-21F2065C1AFF.jpeg

🎬『アミラ』モハメド・ディアブ監督/フランス・エジプト・ヨルダン・アラブ首長国連邦・サウジアラビア/98分

パレスチナの女子高生のアミラ(タラ・アッブード)は政治犯としてイスラエルの刑務所に入っている父ナワル(アリ・スレイマン)を尊敬崇拝していた。

ナワルは17年前に冷凍保存した精液でアミラを産んだように、もう一人、子を作ろうと妻ウォルダ(サバ・ムバラク)に相談。だがナワルの精子は妊娠不可能とわかった。

実話を基に作られている。イスラエルに長期に拘束されているパレスチナ人が同じ方法で妻に人工授精した子は、2012年以降101人にのぼり、その方法は今もわかっていない。

自分の娘ではないとわかっても父親の娘への愛は不変で、妻にも不貞の覚えはない。その元凶となった場面は映画中で示されるが、それは公開も視野に入れて書かないことにする。オチのつけ方も納得できた。

本作はこの衝撃的事実にインスパイアされた作品ながら、当事者たちが“自由の使者”と呼ぶ子を迫害する悲劇に仕立てていることから、国を越えた賛否の声に包まれた。

🎬『縁起良き時(第1話)』ホアン・シー/台湾・シンガポール/54分

台湾のとある都市にある葬儀場。納棺師のタン(リー・カンション)が運び込んだグォ・ボーシャンという男の遺体が手違いで消えてしまう。

一方、父親の葬儀のために久しぶりに集ったグォの3人の子らは、それぞれ結婚や仕事で問題を抱えていた。

葬儀の準備を進めるも、見栄や体裁しか考えておらず、父親の遺産のことにしか興味がない。ひとまず見つかったグォの遺体には厚塗りの死化粧が施されていて……。

最初に奇妙な猿の人形が踊っていてギョッとした。

葬儀は無事終わったがお骨になるまで時間がかかるにで長男、次男はタンに任せて帰ってしまう始末。最後に紛失した遺体のオチも面白く、続きを観たくなった。

★ホウ・シャオシェンがエグゼクティブ・プロデューサーを務めていて、長男役にデヴィット・ウー。

posted by ミッキー at 10:33| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする