2022年03月15日

第17回大阪アジアン映画祭(4)『セールス・ガール』『ママの出来事』

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🎬『セールス・ガール』ジャンチブドルジ・センゲドルジ監督/モンゴル/123分

理系女子のサルウル(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル)は、バナナの皮で転んだ顔見知りのクラスメイトに頼まれて、1ヶ月の間、アダルトグッズも店でアルバイトをすることになった。

学校が終わってから夜まで店でバイトしてから、一人で優雅に暮らすロシア人のオーナー・カティア(エンフトール・オィドブジャムツ)の住むマンションに売上金を毎回持参するまでが仕事だった。

気難しいカティアに気に入られたサルウルは、彼女と話すうちに「親の期待に逆らえず自分を抑えている」ことに気づく。

化粧もせず、おしゃれにも関心のないサルウル。こんな子がアダルトショップで働けるかと心配になる。お店には冷やかし半分の客が来たり、これどうやって使うの とか聞かれても、サルウルが表情もなくボーッとしているので客もつまらないみたいだ。

買う人はササっと会計して出ていくので、案外、うってつけのアルバイトかもしれない(でも配達先きで襲われそうになった時は驚いたが)。

いろんなことを経験したり、カティアとお付き合いしたりする中で徐々に表情が明るくなって、おしゃべりもおしゃれもそして性のことも無理なく描かれていた。

★今までのモンゴル映画とは違い、サルウルの自宅の様子、モンゴルの街の風景が目新しく映った。

🎬『ママの出来事』キーレン・パン監督/香港/127分

かつては音楽業界で敏腕マネージャーとして活躍していたメイフォン(テレサ・モー)は、結婚で仕事を辞めたが、一人息子のヒン(ジャー・ラウ)も今では高校3年生。

再び働こうと仲間に紹介してもらったところはピアノや歌、ダンスなどを子どもらに教える音楽教室だった。

そこに飲食店で働くフォン・チェン(ギョン・トウ)と出会い、彼の歌声を聴いた彼女は歌手デビューさせようと動き出して……。

4年前に『29歳問題』があいち国際映画祭でキーレン・パン監督インタビューに同行した思い出があった。今作は有能な女性が「家庭」と「仕事」の間で悩みながら子育てしたその後の物語。

家庭と仕事で頑張っている女性なら絶対に思い悩む問題。復帰するのがこんなにうまくトントン拍子には行かないが、ギョン・トウの柔らかい声と情緒ある歌い方に大満足した。今年のあいち国際女性映画祭で上映してくれたら嬉しい。

posted by ミッキー at 23:06| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする