🎬『ホテルアイリス』奥原浩志監督、脚本、編集/日本、台湾/100分/センチュリーシネマにて
台湾・金門島で日本人の母親(菜葉菜)が経営するホテル・アイリスを手伝っているマリ(陸夏/ルシア)は、ある夜、女の悲鳴を聞く。男(永瀬正敏)からの罵声と暴力で取り乱す女の姿に衝撃を受けるマリだったが、男の暴力的行為に惹かれていることに気づく。
男はロシア文学の翻訳家で、小舟で渡った小島でひとり暮らしている。島の住人たちは男が過去に起きた殺人事件の真犯人ではないかと噂する。一方のマリも台湾人の父親が事故死した過去の辛い思いを抱えていた。
あ
芥川賞作家・小川洋子の小説「ホテル・アイリス」を映画化。
どこかで聞いたような題名と思いながら観たが、やはり観ていた。去年の大阪アジアンで爆睡した作品だった。観たのは最初の15分くらいで、後はほとんど覚えていない。そこを出る時に観た人の感想を小耳にはさんだ。「逃げ出したくなった」と言っていたが、なんのことか理解できなかった。
好みの作品ではないが、永瀬正敏の優しい紳士的な時と狂ったように変化する振り幅の大きさにギョッとなったり、彼の義理の甥っ子でしゃべることができない少年・寛一郎の儚げな美しさにうっとりしたり、小島に渡る船頭のリー・カンションに驚いたり、と刺激的な画面に吸い寄せられてしまった。