「テアトル・クラシック ACT 1愛しのミュージカル映画たち」 http://www.theatres-classics.com/
🎬『ビクター・ビクトリア』ブレイク・エドワーズ監督、脚本/アメリカ/133分/1982年
種も仕掛けもない「本物」の舞台を楽しませてもらった。
1930年代のパリ。正統的なクラシックを学んだソプラノ歌手ビクトリア(ジュリー・アンドリュース!)は劇場の歌手のオーディションを受けるが「声はいいが色気がない」と断られてしまう。
無一文の彼女は空腹に耐えかねて「ゴキブリ」を隠し持って高級レストランへ。あれもこれも注文して食べたり飲んだりしている時に、ちょうど彼女のオーディションを聴いていたゲイの芸人トディ(ロバート・プレストン)がやってくる。
彼は「散々食べてからゴキブリが入っていたと言って、ただにしてもらうからあなたも食べてよ」との提案にのる。
最初のすべり出しから夢中になって見た。アンドリュースの食い逃げ計画など思いもよらず楽しめた。
舞台上のすべての歌、踊りも良かった。彼の提案で女であることを隠して「女装芸人」を渋々承諾したビクトリア。特にミッキーが驚いたのは、男の声の調子を調べる時にアンドリュースは自分でピアノを弾いて、少しずつ声を低くするが、それをピアノで3回ほど「移調」していたので大変驚いた。
ミュージカルは舞台上だけだが、アンドリュースの別の顔が見られて最高だった。
★製作のブレイク・エドワードさんとアンドリュースはご夫婦。
🎬 『上流社会』チャールズ・ウォルターズ監督/アメリカ/111分/1956年
1950年代半ば。ニューヨーク州のロング・アイランドに大邸宅を構える一家のお嬢様・トレイシー(グレース・ケリー)は再婚相手のジョージ(ジョン・ランド)との結婚式を明日に控えてウキウキしていた。
彼女の前夫・デクスター(ビング・クロスビー)はすぐ隣の邸宅(森を抜けると隣家に行ける)に住んでいて、まだトレイシーに未練があった。
彼は、明日の結婚式をどうしても止めたいと思い、自分の邸宅で世界的ジャズメン(サッチモことルイ・アームストロングの率いるメンバーたち)を招待してジャズフェスティバルを開く計画を立てていた。
そんなうまい話が2つもあるならと、今で言う暴露専門の記者男女二人(フランク・シナトラ&セレステ・ホルム)もやって来て、双方の大邸宅はてんやわんや……。
もう、見ながらよだれが出てしまいそうになった。料理にではなくて登場する世界的名優やジャズマンの面々に。これ、グレース・ケリーがモナコ王妃になる前の最後の作品で、映画中でつけている婚約指輪はレーニエ公からいただいたものをつけているとか。この夜は興奮して寝つきが悪かった。