🎬『白い牛のバラッド』ベタシュ・サナイハ、マリアム・モガッダム監督、脚本/イラン、フランス/105分/2月18日よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショー公開
無実と叫ぶ愛する夫を死刑で失い、ろうあの娘を育てながら懸命に生きるシングルマザーのミナ(マリヤム・モガッダム)。死刑後しばらくして夫の無実が明かされる。
多額の賠償金が支払われるが、彼女は刑を決めた判事たちに謝罪を求める訴訟を起こそうとする。そんな時、夫の友人と名乗る男レザ(アリレザ・サニファル)が現れる。彼は以前、夫からお金を借りたのでと大金を持参し、家を提供してくれたりしてくれた。
ミナは親切な彼に徐々に心を開き、3人は家族のような関係になっていく。
緊張感のある心理描写に満足した。
第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された作品で、主演の美しい未亡人・ミナ役もモガッダム監督が演じている。苦悩する母親に手話で「どうしてここにシワがあるの?」と健気に聞いてくる娘とふたりひっそりと暮らしている中に、突然、神様の使いか?と思わせる男。
心がねじ曲がっているミッキーなら「何か魂胆があるはず」と疑うが、ミナはその点、無防備に信じていく。
それと同時にイランにおける母娘ふたりへの風当たりは強く、わずかな時間、男を部屋に入れたからとアパートを追い出したり、不動産屋でも貸してくれる部屋などなく、驚くことばかりだった。