🎬『パイプライン』ユ・ハ監督、脚本/韓国/108分/2月4日よりシネマート新宿他にて全国ロードショー公開
盗油業界最高の穿孔(せんこう)技術者として知られるピンドリ(ソ・イングク)は、大企業の後継者ゴヌ(イ・スヒョク)から数千億ウォンの石油を盗む計画に誘われ参加することにした。
現場に行ってみると既にその道のプロが集められていた。プロ溶接工のチョプセ(ウム・ムンソク)、地中のことを把握している元公務員ナ課長(ユ・スンモン)、太っちょの怪力男で掘削人のビッグショベル(テ・ハンホ)。彼らを監視したり危険な来訪者の知らせを受け持つカウンターの女性(ペ・ダビン)ら、人生の大逆転をもくろむ面々が作戦に参加していた。
送油管に穴を開けて盗んだ石油を転売する特殊犯罪「盗油」で人生逆転を夢見る6人の姿を描いた韓国製クライムアクション。
映画のはじまりに「韓国の送油管の長さは約1200キロメートル。石油はパイプラインを通って全国に運ばれる。そのパイプラインから石油を盗む者を隠語でモグラ、石油をクジラと呼ばれている」と出てくる。実際にそんな事例があるのか調べてみたが何も出てこなかった。
実際にこういう事件がなく想像で作ったのならすごい設定だ。前に閉山された小規模の炭鉱の入り口(もちろん出入り禁止)が庭先にあって、旦那が時々家の暖房のために石炭を取りに行っている映画を観たことがあったが、これは石油だ。引火して爆発もあるし、パイプ管から他のところに移す設備だって大変なことだ。実際にはむづかしいことだろう。
ここに出てくる面々は警官以外、全員お金に困っていたり、欲望の歯止めがきかなかったりと醜い人ばかりだったがピンドリを頼りにする人たちとは段々に人間的な結びつきも出てきている。
韓国映画独特のイケイケと人情がいい按配にミックスされている。