🎬『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』アントワーヌ・ビトキーヌ監督/フランス/100分/伏見ミリオン座にて
ある美術商がとある絵画競売会社のカタログから13万円で落札した1枚の絵。彼はロンドンのナショナル・ギャラリーに依頼して、専門家の鑑定を経てダ・ヴィンチの作品として展示される。
その絵に、投資目的の大財閥、手数料を上乗せして儲けようとする仲介人、国際政治での暗躍が噂される某国の皇太子など、それぞれ思惑を抱えた人々が世界中から集まってくる。そしてついに510億円で競り落とされて……。
この日公開の映画を3本観たが、これが一番面白かった。まるでミステリー&サスペンス映画のようなドキュメンタリー。
真面目で温厚そうな絵画仲介者はまるで詐欺師、だけどこれは慣例の範囲と平然としている。世界的に超有名な鑑定家4人のうち「偽物」とはっきり言ったのは1人だけ。ダ・ヴィンチが描いたのとダ・ヴィンチ工房が描いたのとは雲泥の差らしい。
芸術は崇高だが周りで儲けようとする人たちの様子がこと細かく描かれていて、もう一度観たいほど。全然絵画に興味のない方も、うーんと楽しめるドキュメンタリー。
★ ダ・ヴィンチの最後の傑作とされる絵画「サルバトール・ムンディ」その絵は通称、男性版モナリザと呼ばれている。