2021年11月21日

ドイツ映画祭Horizonte 2021(4)『オライの決断』

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🎬『オライの決断』メフメト・アキフ・ビュユアタライ監督/100分

ちょっとした口喧嘩がもとで禁句である言葉「タラーク!」と3回、妻の留守電に入れてしまった夫オライは、後悔するが後の祭り。イスラムの法に詳しい人に相談すると「仮離婚して3ヶ月離れなければならない」と教えられた。

敬虔なイスラム教徒のオライはその言葉に従って少し離れた町に引っ越しして市場で働き始めた。その町にあるモスクや教団のグループに参加するが……。


日本なら江戸時代の「三行半 みくだりはん」だ。夫から一方的に離縁される。タラークを3回言ってしまうと、1回離婚して別の人と結婚しないと、同じ人とは再婚できないというのが、伝統的なイスラームの教え。オライは心底、妻(美人さん)に惚れているので心配でならない。

3ヶ月離れている間にオライは弁がたつのでたちまち教団の中心人物になって行き、時々会いにくる妻とも(教えでは体にさわってもいけないのに…)抱きあっていた。

今まであまり描かれなかったイスラム教会内部の様子やそこに集まってくる若者たちの生活の片鱗を見せてもらった。

★現在は、トルコではタラーク3回で離婚は成立しないが、サウディアラビアではいまだに成立。インドでは最近、タラーク3回での離婚は禁止された。



全作品みたが(『異端児ファズビンダー』は大居眠り)ほぼイスラム、移民系の作品。移民か3割のドイツだが、あと2作品ぐらいは(欲を言えば、モリッツ・ブリブレイト、ダニエル・ブリュールらの出ている)他の作品を観たかった。


★勝手に賞を❗️

作品賞 ベルリン・アレクサンダープラッツ

監督賞 悪は存在せず のムハムド・ラスロフ監督

主演男優賞 悪は存在せずの一番最初のパートに出てきた家族思いのお父さんの役者さん。

助演男優賞 ベルリン・アレクサンダープラット システム・クラッシャー 家に帰りたい のアルブレヒト・シャッフさんに。

脚本賞 オライの決断

主演女優賞 システム・クラッシャー 家に帰りたい の女の子ヘレナ・ツェンゲルに。

助演女優賞 ベルリン・アレクサンダープラッツのフランシスの恋人役でストーリーを導くナレーションをした女優さん。
posted by ミッキー at 09:16| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする