2021年11月19日

ドイツ映画祭Horizonte 2021(2)『マリアム エヴィーン刑務所に生まれて』『ベルリン・アレクサンダープラッツ』

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🎬『マリアム エヴィーン刑務所に生まれて』マリアム・ベレー監督/95分

1979年のイラン革命によりイラン皇帝が倒れるとホメイニが権力を握り、政治的に対抗する数万人の人々を逮捕、殺害。監督の両親も逮捕され何年も収容所に収監された。逮捕時に妊娠していた母親は収容所で出産。その赤子が監督さん。その後監督さんだけ実家に引き取られ成長。その後両親が収容所から出て娘と3人でドイツに逃れた。この迫害と刑務所での体験は、家族の間でも語られることはなかった。

女優、そして作家として活躍するマリアム・ザレーさんは政治犯が収容されるイランの「エヴィーン刑務所」で誕生した。そんな彼女が監督として初めて撮ったのが彼女自身の誕生にまつわるドキュメンタリー。

彼女の母は今では地方議員で理性的な面立ちとはっきりとした口調で女性政治家として活躍中。演説する場所は中央駅。支持者の集まる前で「約30年前に乳飲み子を抱えて途方にくれた場所。私の出発点がここです」と力強く語っていた。

だが娘である監督が当時のことを聞くと、口を濁し、当時のことを言いたくない様子だ。

書けるのはここまで、今日も上映があり、その後オンラインでトークが行われる。是非、是非、関東在住の方はご覧いただきたい。


🎬『ベルリン・アレクサンダープラッツ』ブルハン・クルバニ監督/182分

アフリカからヨーロッパを目指していた不法移民のフランシスは、船が嵐にあって沈没。その時、もし無事に上陸できたら、心を入れ替えて真面目に生きると心に誓う。その願いは叶い、フランシスはドイツにたどり着く。

しかし不法移民としての生活は過酷で、出会った麻薬密売人のラインホルトがフランシスを麻薬売買に引き込もうとする。それに抵抗しきれないフランシスは、徐々に犯罪に手を染めていく。そんな中、ある女性と出会ったことでフランシスは運命を変えようとするが……。

3時間、あっという間だった!7つのパートに分かれていて、ストーリー展開にメリハリがきいていた。 フランシス役のウェルケット・ブンゲとラインホルト役のアルブレヒト・シュッヘの見事な演技に魅了されたが、中でもサイコパスぎみの麻薬密売人ラインホルトを演じた アルブレヒト・シュッヘさんは今日上映する『システム・クラッシャー 家に帰りたい』にも出るので楽しみ。

★2020年・第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。ドイツ映画賞2020では作品賞を含む5部門に輝いた。
posted by ミッキー at 08:50| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする