2021年11月09日
第34回東京国際映画祭(10)受賞結果とグランプリ作品『ヴェラは海の夢を見る』
★コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞『ヴェラは海の夢を見る』監督:カルトリナ・クラスニチ
審査員特別賞『市民』(テオドラ・アナ・ミハイ監督)
最優秀監督賞 ダルジャン・オミルバエフ監督(『ある詩人』)
最優秀女優賞 フリア・チャベスさん(『もうひとりのトム』)
最優秀男優賞 アミル・アガエイさん ファティヒ・アルさん バルシュ・ユルドゥズさん オヌル・ブルドゥさん(『四つの壁』)
最優秀芸術貢献賞『クレーン・ランタン』(ヒラル・バイダロフ監督)
観客賞『ちょっと思い出しただけ』(松居大悟監督)
スペシャル・メンション『ちょっと思い出しただけ』(松居大悟監督)
★アジアの未来
作品賞 『世界、北半球』(ホセイン・テヘラニ監督)
★Amazon Prime Videoテイクワン賞 キム・ユンス監督『日曜日、凪』
Amazon Prime Videoテイクワン審査委員特別賞 瑚海みどり監督『橋の下で』
🎬『ヴェラは海の夢を見る』カルトニア・クラスニチ監督、脚本/コソボ、北マケドニア、アルバニア/87分/コンペティション
手話通訳としてテレビに出たり、聾唖の人に付き添って病院や役所に同行したりしている中年女性ヴェラ(テウタ・アイディニ・イェゲニ)は、判事の夫と二人暮らし。舞台俳優をしているシングルマザーの娘と可愛い孫娘は近くに住んでいて、学校のお迎えなどを時折手伝っていた。仕事も生活も充実した日々を送っていたが、突然、風呂場で夫が自殺していたのを見つける。
夫の同僚で親友でもあった男に新聞ざたにならないように手配してもらい、娘や身内には自殺を内密にしていた。
葬儀が終わってすぐに夫の故郷に住む弟が訪ねてきて「故郷の家屋敷は兄が生前、大勢の人の前で、お前に譲る」と言ったので書類にサインしてくれと頼みにきた。
ヴェラはその土地に高速道路が通る計画を知っていて、売れば娘にアパートを買ってやれるし、自分も休暇には海辺で静養できると考えていたので、きっぱりと弟の要求を断った。
ちょっと書きすぎたかな。でも怖い男社会の現実が描かれるのはここからだ。
女性監督作品がグランプリを獲得したニュースはネットニュースにもなった。ミッキーのグランプリ一押しは韓国女性監督の『オマージュ』だった。そして主演女優賞にヴェラさんを演じたアウタ・アイディニ・イェゲニさんかなと思っていた。
もちろん公開はあるだろうから、その時は是非とも観ていただきたい。
★どうして手話通訳者になったかも男女格差の問題が含まれていた。