2021年11月01日
第34回東京国際映画祭(2)『ある詩人』『カリフォルニエ』
昨日は4本映画を見て、夜9時に野菜ラーメンとパリパリ餃子を食べて、シャワー浴びてバタングー💤。そして今朝の地震までぐっすり寝た。こんな一気寝は珍しい。
🎬『ある詩人』ダルジャン・オミルバエフ監督、脚本/カザフスタン/105分/コンペティション
文壇から「詩」そのものの意味も理解されていない若き詩人ディダル(エルドス・カナエフ)は、小さな新聞社で働いていた。彼は職場の行き帰りにも書物を手にしている。今、読んでいるのは19世紀の詩人マハンベトが時の権力者に逆らって斬殺される箇所で、詩人の背負う使命を感じ、一人その場面を想像しているディダルだった。
崇高な作品だった。本の内容を想像するシーンもあって静かながらも変化をつけて描かれていた。
印象に残ったのは、ディダルが招かれて講演に行くと広い会場に女性が一人だけ。その吃音ぎみの女性が彼の詩をこよなく愛し、一番好きな彼の詩を吃音もなく静かに朗読して彼を感動させていた。きっと彼には一人が百人、千人に値する観客だったはず。あ〜、このシーンはずっとミッキーの身体に残るだろうな……と思った。そして、人間はどんな困難、苦しみの渦中でも、一人の理解者、話を聴いてくれる人がいれば乗り越えて行けそうとも感じた。
🎬 『カリフォルニエ』アレッサンドロ・カッシゴリ監督、脚本、編集/イタリア/81分/コンペティション
イタリア南部のヴェスヴィオ火山の南にある小さな港湾都市・トッレ・アンヌンツィアータで家族と共に暮らすモロッコ移民の少女ジャミラ(ハディージャ・ジャアファリ)の、9歳から14歳になるまでの5年間を描いている。
カリフォルニアじゃないの?と、題名を2度見直した。そんな変なインパクトのある題名の作品。主役の少女が13歳には見えず、最後までしっくり来なかった。家族でモロッコから移民で来たが学校には馴染めず、モロッコに帰りたいと言っていた少女だったがバイトで働く美容院で重宝されているに従って、学校に行かず一日中美容院で働いている
福祉の役人が来て午前中は学校、午後は働くのを認めると注意するが、聞く耳は持たない。
そして「カリフォルニエ」となった智恵も13歳の少女の機転で……。
賢い13歳の少女が最後に選択する道に、ホッとした。