2021年06月06日

『デカローグ デジタル・リマスター版』より 1.ある運命に関する物語 2.ある選択に関する物語 3.あるクリスマス・イヴに関する物語 4.ある父と娘に関する物語

昨日、今池シネマテークでデカローグを約5時間かけて1〜4をみた。観客はほぼ一席空けて25人。ちょうどいい人数だった。ほとんどが50分ぐらいだが静かな映像のためか1時間20分ぐらいの長さに感じた。

話は、同じ大規模集合住宅の住民の物語。監督、脚本はクシシュトフ•キェシロフスキ/ポーランド/1988年

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🎬「デカローグ 1.ある運命に関する物語」 

無神論者の大学教授のクシシュトフ(ヘンリク・バラノフスキ)は12歳の息子パヴェウ(ヴォイチェフ・クラタ)と二人暮らし。 とても利発な男の子で父からコンピューターを学び、子どもながら電気を点けたり、水道の蛇口を明け閉めしたりする遠隔操作もコンピューターでプロミングしている優秀さだ。

そんなパヴェウにクリスマスのプレゼントにスケート靴を用意した父親。
早く凍った池で滑りたいパヴェウはクリスマス前に無理をいってスケート靴をはいて池に遊びに行く。

可愛い男の子で父親に哲学的な質問をたくさんしている。早熟で頭がよく、その上可愛いとくれば神様だって嫉妬するだろうに。案の定……。

何事もコンピューターのように計算通り、予測通りには行かない「運命」を痛切に描いていた。

🎬「デカローグ 2.ある選択に関する物語」

オーケストラのバイオリン奏者の30代の女性ドロタ(クルィスタナ・ヤンダ)は同じ団地に住む老医師(アレクサンデル・バルディーニ)に聞きたいことがあった。老医師は廊下で話しかけたそうなドロタを見たが、2年前に愛犬をドロタの運転する車にに轢かれたので良い印象はない。

ドロタの夫は老医師の勤める病院に入院中で危篤状態。聞きたいのは「夫はいつ頃に死ぬか」だった。

うーん、へんな質問している。しかし彼女のお腹には赤ちゃんが、愛人との子ども。もう産むなら今しかないが夫が死ねは問題なく産みたいが……なんと勝手な女!と言い切れない女心に同情も少し感じた。

🎬「デカローグ 3.あるクリスマス・イヴに関する物語」

家族でクリスマス・イヴを過ごす予定のタクシー運転手のヤヌーシュ(ダニエル・オルブリフスキ)はサンタクロースの格好をして帰宅。子どもや妻、母親にプレゼントを渡していた。

妻と母親は「やっと落ち着いた生活ができそうね」と小さい声でささやきあって安堵している。そう、彼はつい最近まで愛人エヴァ(マリア・パクルニス)と付き合っていたのだ。

そこに電話が入りヤヌーシュが出るとエヴァが夫が行方不明だから一緒に探してと懇願され、妻には「自分のタクシーが盗まれたらしい」とあわてて外出する。妻は半信半疑で見送るが……。


孤独なエヴァの行動に同情してしまった。1は男目線。2は女目線、そして3も女目線だ。この監督さんの描く「女」には「秘めた賭け」があって、怖いが4割、同情が6割といったところだ。

🎬「デカローグ 4.ある父と娘に関する物語」

快活で美しいアンカ(アドリアンナ・ビェドジェインス)は演劇学校に通っていて、父親ミハウ(ヤヌーシュ・ガイヨス)と二人暮らし。母親はアンカが産まれた時に亡くなったが父娘は仲良く暮らしている。

海外出張が多い父の留守にアンカは父の筆跡の封書を見つけた。そこには「死後、開封のこと」と書いてあった。ずっと前にこの封書を見つけていたアンカはいつも出張の時は父が持って出るのだが、今回はわざと見せようというように置いてあった。

そこには「私は本当の父親ではない、この写真の男たちのいずれかがお前の本当の父親」 と書いてあって……。


娘は意外なことにこの事実を知って、父親を「男」、それも「愛している男」と確信して……だがこれで収まったわけではないところに「父と娘」の心の複雑さが見え隠れしていた。
posted by ミッキー at 04:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする