2020年11月06日

第33回東京国際映画祭2020(6)『アップル』『悪の絵』

🎬『アップル』クリストフ・ニク監督/ギリシャ、ポーランド、スロベニア/90分

突然、記憶喪失になって身元もわからない男性は専門の病院兼研究所でいろいろな検査をうける。なかなか記憶が戻らない彼を「思い出させる」より「0からの新しい人生」を始めさせようと、研究費から資金をだして街に一室を借りて男を一人住まいさせた。

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興味深いストーリー。はじめは簡単なテストをしても正しい答えがでなかったが、一人暮らしをする中で、きっちり掃除したり、料理を作ったりしている。

いつも研究所からテープが送られてきて「町を散歩して買い物をしよう」「お店に行って誰かに話しかけてみよう」と指令が出て、男はその通りにする。そしてポラロイドカメラで撮影してアルバムに貼っていく。

そのうちに何かがきっかけとなって本来の「自分」に気づくのだか、男の表情から伺えるのは「幸せ」ではなく「孤独」だけだった。

題名のアップルは男がいつもリンゴを食べているから。ミッキーもリンゴを毎日食べていて皮をむかずよく洗って小さいナイフで切りながら食べるやり方もそっくりだった。

🎬『悪の絵』チェン・ヨンチー監督、脚本/台湾/82分

服役中の受刑者に絵を指導している画家シュー・バオチン(イースト・ドン)は若い死刑囚の男ジョウ・ジャンティン(リバー・ホァン)の描く絵に魅了された。彼は猟奇的な無差別殺人で世の中を騒がせた犯人だが、画家のバオチンは留学中だったためその事件は知らなかった。

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画家はジャンティンの絵に感銘をうけるが罪状を知っていたら感銘を受けただろうか……彼の絵を展覧会に出すが反対する被害者や被害者家族から非難をあび、暴力沙汰にもなる。加害者の家族からも展覧会を中止してほしいと懇願される。

暗い話しだが、画家やジャンティンの描く一心不乱の姿に狂気と同時に生きる証のエネルギーを感じた。
posted by ミッキー at 18:25| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする