2020年10月18日

製作総指揮はチャン・イーモウ 11月6日より1週間限定公開『愛しの故郷』

🎬『愛しの故郷』ニン・ハオ総監督、チェン・スーチェン、シュー・ジェン、ダン・チャオ、ユー・バイメイ、ポン・ダーモ、イエン・フェイ監督/中国/152分/11月6日よりグランドシネマサンシャイン(池袋)にて1週間限定公開

中国の東、西、南、北、中部の5つの地域に於ける物語を通して、人々の故郷に対するあつい想いを描いた5つの物語。

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物語1  
舞台は中国・北京 

高級ホテルで駐車場の管理をするエルダン(グォ・ヨウ)は高級車でタクシー運転手を夢見てコツコツと貯金していた。そしてやっとお金も貯まった頃に、長年会っていなかったいとこが突然訪ねて来た。彼はしがない荷物配達人で甲状腺の病気を患っていて、保険もなく手術には7、8万元の費用がかかると借金を頼みに来た。

一生懸命貯めたお金を貸すとは言えなかったエルダンだったが、いとこを自分と同じつるっぱげにして自分の保険証を使わせることを提案して……。

2004年の『わが家の犬は世界一』で忘れられなくなったグゥ・ヨウさんが主演。真面目にお話する時も、笑ってしまうほど不思議な愛嬌をお持ちのお方だ。

この作品でも何回も笑った。最後のオチには「お疲れ様でした」と思わず口から出たほど楽しませてくれた。

物語2
舞台は中国・貴州省南部のアフ村。

村人が野外映画を楽しんでいた夜空にユーホーが出現。スマホを取り出してたくさんの人が証拠写真を撮った。そのニュースは瞬く間に全土に広がり村は大変なことになって……。

マスコミ、村役場のお偉いさん、地元発明家が繰り広げるドタバタ喜劇。

物語3
舞台は中国・浙江省にある千鳥湖付近の村。

スイスに住んでいる大学の美術教授ファンはこの頃体調が悪く、家族からもいろいろ口煩く注意を受けていた。そんなある日、講義中に脳梗塞になって意識不明に。命はとりとめ大事にはいたらなかったが、意味不明のことをしゃべり周りを驚かせる。

医師は「記憶がある時期だけで止まっている」と言われ、考えるとどうも昔千鳥湖の近くの小学校教師時代とわかった。そこでスイスから中国に向かうが……。

いい話だった。恩ある先生が記憶を取り戻し、健康になってもらうために発展して勢いのある「村」を1992年に戻す作業が村人たちで一致協力で行われるのだ。どうして彼ら元生徒はそんなにしてまで先生を尊敬したのかは書かないでおこう。

物語4
舞台は黄土高原・貴陽村。

人気アナウンサーのヤン・フェイヤンは故郷の貴陽村のシャリゴウ中学校40周年記念式典に参加するために、付き人ジェシカを連れて飛行機で故郷に向かった。ところが図々しい男が隣席に割り込んできて、6歳下の中学校の生徒だと「お姉さん」と馴れ馴れしく「故郷でリンゴ農園をやって、今ではセレブだ」と自慢気に言う……。

この2人、絶対うまくいくわけない!と思いきや意外な展開でほろっとさせてくれた。

★黄河上流から中流に広がる高原。日本にも降ってくる黄砂の発生地。

物語5
舞台は新疆のとある村。

都会の大学に勤めるマー・リアンは美術を教えているが国の政策「貧困撲滅運動」でなぜかレスリングチームのコーチをするという場違いな役割が与えられた。それを知ったマーの妻は教授たちの会議室に怒鳴り込み「夫は芸術家でロシアのレービン美大に留学する!」と言い、教授を投げ飛ばしてしまった。勤めをやめて、レービン美大の留学も決まり……。

と、思っていたらマー先生は故郷に帰って、その地域活性のために先頭に立って活躍しているのだ。おっかない妻(妊娠中)をどうやって「ロシアにいる」と見せかけたのかは映画を是非ご覧いただきたい。


posted by ミッキー at 04:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする