Netflix『悪魔はいつもそこに』アントニオ・カンポス監督/アメリカ/138分
第二次世界大戦に従軍していたウィラード(ビル・スカルスガルド)は仲間の兵士が戦地の森の中で十字架に張り付けにされ死ぬ間際の状態だったので、やむなくトドメの一発を撃った。
そのことで心に大きな打撃と悔いを残し故郷の地に帰るが、途中で寄ったレストランで気立てのいい娘シャーロット(ヘイリー・べネット)と出会い、恋に落ちた。
2人は結婚してオハイオ州ノッケンスティフの村外れの丘に古い家を買い、まもなく息子アーヴィン(幼い時マイケル・バンクス◎、長じてトム・ホランド)が産まれた。
ウィラードは戦争の忌まわしい記憶を消すかのように家のそばの森に十字架を作り熱心に神に祈り、土地の子からいじめられている幼い息子にも祈りを強要するようになった。だが平穏な日々は妻の末期癌がわかってから崩れていき……。
ミッキー好みの群像ドラマ。ウィラード一家以外はほとんど土地の人で10年近く住んでいる一家もよそ者扱い。田舎そのものの閉鎖社会だ。
ウィラード家の出来事、古い因習にとらわれた村人、その村に偶然居合わせた人らによって息子アーヴィンが翻弄されていくが、父親ウィラードの気性の激しさも垣間見せていく人生が興味深く描かれていた。
Netflix臭(この臭は悪い意味ではなく)が無い作品で、出演者がミア・ワシコウスカ、ロバート・パティンソンら豪華。