2020年10月12日

賢い選択をするガディに同情は無用だ 10月17日公開『靴ひも』

雨台風の後が心配で伊豆高原の家の点検に来た。トイレの小窓を開けていたので積んであるトイレットペーパーが濡れた以外はたいしたことなくホッとした。

この頃、週刊誌、月刊誌以外の読書から遠ざかっていたが本棚に「偽りの映像 戦争を描く目」山田和夫著を見つけて読んだが知らない作品がぞろぞろ出てきて、これは名古屋に持って帰ることにした。


🎬『靴ひも』ヤコブ・ゴールドヴァッサー監督/イスラエル/103分/10月17日より渋谷イメージフォーラム他にて全国順次ロードショー公開(名古屋名演小劇場10月31日土曜より上映)

母の急死で30年ぶりに一緒に暮らすことになった父と息子。家族を捨てた父ルーベン( ドヴ・グリックマン)と発達障害のある30代半ばの息子ガディ(ネボ・キムヒ )の生活がスタートする。

生活へのこだわりが強い息子に、父はどう接したらよいか戸惑うが、ガディの明るい性格のおかげで整備工場や近くの食堂の人たちとも徐々に打ち解けていく。

そんな中、父が末期の腎不全と診断され人工透析が必要となる。特別給付金申請の面接の場で息子が靴ひもを結べないふりをして特別給付金を受けるが……。

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イスラエル・アカデミー賞で8部門にノミネートされ、父親役のドブ・グリックマンが助演男優賞を受賞した作品。

「靴ひも」といえば『ラストエンペラー』だ。刑務所で溥儀が靴ひもが結べないので、お付きの人が涙ながらに、これからはご自分でなさってくださいね とか言ってるシーンが思い出される。だがガディはちゃんと結べるのだが、ことの成り行きで出来ないふりをしたり、できるのに気が動転してできなかったりという場面がある。

『靴ひも』は、とても含蓄のある題名だと感じた。

そして亡くなったお母さまがガディを心をこめて育てていたことが随所でわかり、立派な女性だったと感心した。映画でもっと別れて暮らしていた父親の口からこのことについて印象に残る台詞が欲しかった。

posted by ミッキー at 08:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする