2020年10月01日
skipシティ国際Dシネマ映画祭はオンラインで(3)『コントラ』『コーンフレーク』
詳しくは https://www.skipcity-dcf.jp/
🎬『コントラ』アンシェル・チョウハン監督/日本/144分
女子高生のソラ(円井わん)は祖父と表具職人の父と3人暮らし。ある朝、いつものように祖父とたわいもないことを話していたが、朝ご飯ができて呼びにいくと死んでいた。父親より祖父と馴染んでいたソラはひどくショックを受けた。
葬式が終わったころソラの近所を裸足で後ろ歩きをする浮浪者風の不思議な男(間瀬英正)を見た。その時は目が合っただけで通りすぎたが、父親と親戚の家に夕食に招かれた帰り道で、急に後ろ向きで車の前に飛び出して来た男をはねてしまった。ほっておけばいいと言う父親を叱りつけてソラは男を車に乗せた。車の中は異様な匂いで充満するが「今朝、会ったよね」と話しかけてもしゃべらず無表情な男を家に連れ帰って傷の手当てなどするが……。
しっかりと意志を持ったソラと不思議な男の物語。
きっと亡くなった祖父が戦争に行ったころの若い姿で蘇ったのかと思ったが、そうでもなさそうだ。食事は手づかみ、部屋の中も後ろ向きで歩く男と意志疎通できるまでソラはなぜか気になって面倒をみる。
いま思えば警察も周りの人も騒いでいない……こんな田舎町では人の口にのぼり大変な騒ぎになるにちがいないが、他の人には見えていないのだろうか。
そんな男も祖父が書いた戦争体験の帳面を食い入るように見ている。
映画最後に字幕が出ていろんな疑問に感じたことが氷解する。
★さてこのインド出身の監督さんの前作は『東京不穏時』は良く言えば難解て悪く言えばつまらん作品(失礼)だったが、長編第2作品目は納得いくものだった。特にソラを演じた円井わんさんは言葉も明瞭で目力のある方。今後きっと伸びていくと思う。雰囲気として伊藤沙莉さんに似ている。
🎬『コーンフレーク』磯部鉄平監督/95分
保険会社の外交員として働く美保(高田玲子)は、音楽の夢を捨て切れず自堕落な生活を送る裕也(GON)との暮らしに居心地の良さを感じながらも、このままでいいのかと自問していた。
ある日、裕也の携帯を見てしまった美保は、その中に、バイト先の後輩・朱里とのメールを読んでしまい、それがきっかけで裕也を家から追い出してしまった。行き場を失って友人宅を転々とする裕也、ひとりになった美保。同棲7年目の二人は別々に暮らすが……。
同棲して7年のカップルのお話。結婚していても7年たつ間に離婚したり別居したりするカップルは今はたくさんいる。7年持てばいい方である。あまり波風もなく7年持ったこのカップルはきっといい関係だったと思いたい。
女優さんはなかなかの美人さん、感じもいい。男優さんはどこかでみたのに思い出せない。しばらくして思い出した。シネマスコーレで観た『バカドロン』に出ていた俳優さん。
別れてから、しなきゃいけないこと、手放してはいけない人、が、2人はそんなに時間をかけずにわかってくる。変わらないのは毎朝のコーンフレークだね!