2020年09月22日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020(2)『三人姉妹の物語』『昨夜、あなたは微笑んでいた』

『三人姉妹の物語』エミン・アルペル監督、脚本/トルコ/107分

中央アナトリアの荒涼とした貧しい村で生まれた三姉妹。亡き母のたっての願いでもあった「娘たちはこの村から出して町で生活させたい」を守って、頑固者の父親は娘三人を町の裕福な家に家政婦として働き口を見つけた。しかし三人が三様の理由で村に戻ってきてしまい……。

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舞台である中央アナトリアとはアルプス級の高い山々が連なる標高の地。ロケ地として最高の絶景だ。

そこに住むのは命令口調の頑固親父と三人娘。

素直に親父の言うことをきくのは末娘のハッヴァ(ヘンリ・カンデミル)だけ。ハッヴァは奉公先の不幸で仕方なく戻ってきた。再び町に働きに行くことを願っている。

長女のレイハン(ジェムレ・エブズィア)はかつては家政婦をしていた先で子を身籠り、実家に戻ってきた。父親の意向で鈍重な羊飼いの男と再婚させられたが、夫婦仲は良くない。赤ん坊は家族皆で可愛がっている。

次女のヌルハン(エジェ・ユクセル)は町で子だくさんの家の子守りをしていたがおねしょばかりして困らせる子を叩いたことで実家に戻されてしまった。体調も悪く咳をしている。

こんな難儀をいっぱい抱えた一家だが思うほど窮していない。気になったのは「愚鈍な夫」に対して容赦がない。そう思った事柄をすべて書いてしまうと公開された時、詰まらないだろうからここまでだが、ミッキーは愚鈍な夫の侘しさが理解できた。


🎬『昨夜、あなたは微笑んでいた』ニアン・カヴィッチ監督/カンボジア、フランス/77分

再開発で取り壊しが決まったプノンペンの「ホワイトビルディング」という歴史的な集合住宅の住民を追ったドキュメンタリー。

若き監督さんはこのビルで劇映画を撮ろうしていたが、資金集めがうまくいかず、まず撮るだけでも撮っておこうと思って撮り始めたのが50時間に及ぶものだった。

この取り壊されたアパートには監督さんのご両親も住まれていて、カメラ越しに「今の気持ちは」と尋ねるが「それは言わない、言うと涙が出る。お前はここで生まれた育ったのだから最後には香を焚いて感謝の気持ちを示さないといけないよ」と諭すように言っていた。

★ 「ホワイトビルディング」は1963年にプノンペンに建造されクメール・ルージュの時代を生き延びた歴史的な集合住宅。
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2020年09月21日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020(1)『クラビ、2562』『明日から幸せな人になろう』

昨日、早朝名古屋を🚄でたち博多へ。第1日目の2作品目から観た。

その前に常宿でGOTOキャンペーンの割引が出来るか聞いてみたらOKだった!ミッキーの泊まるところは常に安価だがまたまた安くなって、優しくやり方を教えてくれたフロントのおねぇさんに肩身が狭かった。3割以上は引いてくれたはず。

でもがっかりなこともあった。いつも1日2回はいくうどん屋westさんが閉鎖されていたことだ。しょげているミッキーに、福岡映友Fさまが映画祭会場の中にある「トマトラーメン」を教えてくださった。500円であとから残りのトマトスープでおじやも作ってくれる。味は「癖になりそう」な変わった味だった。

観客は半分の席でほぼ満員。だが毎年お会いする映友さんたちは今のところ地元・F様と岐阜・E様のお二人だけ。

🎬『クラビ、2562』ベン・リヴァース、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督/イギリス、タイ/93分/九州初上映

舞台はタイ南部のリゾート地・クラビ。仏暦2562年(2019年)の現在と過去を織り混ぜて描かれている。

海辺で撮影するロケ隊、ツアーガイド、観光客等々、対して洞窟、遺跡など過去の遺物が点在する中で「土地の記憶」を撮られている。

観光地と言えどものんびりとして楽しげなタイの風景だった。観光客がみる風景、地元の人がみる風景は違うのは当然であるが、当然であるからこそ映像でそれを突き付けられると「新鮮」な心持ちになった。

元ボクサーの地元老人が「街」の騒音から逃れ、田舎の静けさに身をあずけている姿に「人間本来の幸せ」を感じた。


🎬『明日から幸せな人になろう』イヴァン・マルコヴィッチ、ウー・リンフォン監督/中国、ドイツ、セルビア/60分/日本初上映

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舞台は大都市・北京。出稼ぎのリー(リー・チュアン)は狭苦しい部屋を何人かの仲間と暮らしている。彼は大きなビルの警備員で、仕事の手順や注意点を守れる他は単調な労働の毎日だ。大都市の機能を下支えする陽の当たらない仕事だが、リーは幸せを感じていた。

寡黙な青年が主人公。台詞はほとんどなく表情もあまり変化がない。都会の人混みでは流れにそって静かに歩み、山に入れば木の根本、道端にしゃがみ風景の一部となる。何にも逆らわない青年の行動に「現実」を垣間見たように感じた。


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2020年09月20日

誰でも一つは持っていた10月2日公開『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』

🎬『ライフ・イズ・カラフル!未来をデザインする男 ピエール・カルダン』P・デビッド・エバーソール、トッド・ヒューズ監督/アメリカ、フランス/101分/10月2日より渋谷Bunkamura ル・シネマ他にて全国ロードショー公開

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モードを民主化した天才ファッションデザイナー、ピエール・カルダンの波乱万丈な人生に迫ったドキュメンタリー。

ファッション業界で初めて大衆向けプレタポルテに参入したピエール・カルダン。斬新すぎるためにファッション界から敬遠された苦悩と反撃、女優ジャンヌ・モローとの運命的な出会い、高級レストラン「マキシム・ド・パリ」の買収など、波乱に満ちた97年間の記憶を、今なお現役のカルダン本人が語る。

ジャン=ポール・ゴルチエ、シャロン・ストーン、森英恵ら豪華ゲストたちの証言や秘蔵映像を通し、カルダンの素顔を追っている。


いつも行く喫茶店のパパに「ピエール・カルダンのもの何かもっている?」と聞いてみたら、「まえーに、靴下やシャツ持ってたけど、今はどこにあるかな」と言って、もうすぐピエール・カルダンのドキュメンタリーやるんだよと映画の話になった。

ミッキーだってハンカチやスカーフ、眼鏡、靴、傘はあったはずだが今は何もない。もうずいぶん昔の持ち物だからないのだろう。当時はありとあらゆるものがピエール・カルダンの名のもとに作られていた。

そして今年で98歳。才能にも、お金にも、健康にも恵まれた稀有な方だ。

中国の万里の長城でのファッションショーも良かったが、ミッキーの大好きなジャンヌ・モローさんとはある時期、恋仲であったことも描かれていた。デザインのことやファッションショーの場面は気軽に観ていたが、ジャンヌ・モローさんのところは画面に穴が空くぐらい見つめた。
posted by ミッキー at 02:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする