2020年09月25日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020(5)『樹上の家』

昨日、福岡から名古屋に帰ってきた。いつもお会いする福岡の映友はお二人だけでちょっと寂しかったが、東京から皆で食べてねとお菓子を送ってくださったり、手作りマスクを頂戴したりして来られなくても気持ちはここ福岡にいらっしゃるように感じた。

🎬 『樹上の家』チューン・ミン・クイ監督、脚本、編集/ベトナム、シンガポール、ドイツ、フランス、中国/84分

2045年、名もなき青年がカメラと録音機だけを持って火星に降り立った。試しに周囲の音を録音するが風の音ばかり。その音は彼が住んでいた地球を思い出させた。彼は火星から故郷のベトナムを俯瞰して見る。そこには山岳地帯に住む少数民族の生活が謎めいて迫って来た。

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どうして火星からベトナムの少数民族を撮るのか理解できた。ベトナムでは文化局によって映画の検問が厳しく、わざわざSF映画という手法を用いたようだ。

少数民族は洞窟で生活していた家族、生まれた時から木の上で生活していた父息子を追っている。今は保護も束縛もない無責任な同化政策のもとで貧しく暮らしている。それでも言語、生活習慣、風習を守ろうとする姿に「黙殺しないでほしい」の願いが込められていた。






posted by ミッキー at 11:01| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月24日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020(4)『土曜の午後に』『マリアム』

🎬『土曜の午後に』モストファ・サルワル・ファルキ監督、脚本/バングラデシュ、ドイツ/86分/熊本市賞

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バングラデシュの首都・ダッカ。ラマダン期間中の土曜の午後。高級レストランに銃声と叫び声が起きる。2016年7月に起こった「ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件」をワンショットでリアルに描かれている。

このテロ事件は人質に日本人が含まれていたので、かなりニュースでもやっていて覚えている。人質を一人一人尋問してイスラム教に反する答え方をしたりやコーランを読めなかったりしたらすぐさま銃殺。その度に身が縮まりドキリとした。

若い女性でヒジャブ(髪を覆うスカーフ)をした女性は助かったが、派手な服装の人はそれだけで撃たれていた。容赦のない殺し方のテロ組織の信念や言い分も台詞に入れてあったのが印象に残った。バングラデシュの国情をもっと知るべきとも感じた。

★ ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件は、現地時間で2016年7月1日の夜、21時21分にバングラデシュの首都ダッカの外交関係施設などが集まるグルシャン地区の「ホーリー・アーティザン・ベーカリー 」を武装した7人が襲撃したテロ事件。この事件で、民間人20人、犯人6人、警察官2人の死亡した。


🎬『マリアム』シャリパ・ウラズバエヴァ監督、脚本/カザフスタン/76分

夫が突然姿を消し、女手一つで幼い子供3人を育てなければならなくなった主人公マリアム。追い詰められた彼女は、警官である同級生の助力で、夫が死亡したと申告し、生活保護を受けることができた。だが金銭的な余裕とともに、彼女が女性としての喜びを取り戻し始めた頃、夫が突然戻って来て……。

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実話で、実話のご本人が子らと一緒に出ている映画。ドキュメンタリーではなくてドラマの一登場人物としてご本人が出ている映画はたくさんはないが珍しいわけではない。

最近では、クリント・イーストウッド監督の『15時17分、パリ行き』の3人の若者たち。戦後1953年の日本映画『アナタハン島の眞相はこれだ』に比嘉和子自身が出ている。まだ他にもあると思うがすぐには思い浮かばない。

マリヤムの夫や独り身の彼女に寄ってきた男は俳優さんだろう。

人を惹き付ける力のある作品だから公開もあり得るから内容は書けないが生活のために「背に腹は変えられない」という言葉が浮かんだ。

マリアムは今どうしているのだろう。監督さんに聞いてみたいことがいっぱいある。
posted by ミッキー at 22:44| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月23日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020(3) 『犯罪現場』『ジャッリカットゥ』

博多2日目。トマトラーメン、海鮮丼、鍋焼きうどんをランチで食べた。恒例の映友たちとの「夜の映画品評会」はなし。宿に帰ってから小腹がすくと24時間経営のすき家で一人もそもそ。コンビニでトマトやぶどう、桃を買ってビタミンC補給。

🎬『犯罪現場』フォン・チーチアン監督、脚本/香港/104分/福岡観客賞

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猫好きな刑事ラム(ルイス・チョン)は優しい心根の男。だが今日も殺人現場に遅刻して、相棒の女刑事シウマイ(チェリー・ガン)をイライラさせていた。その現場ではオウムが事件をすべて見ていたから何かしゃべるかもしれない「持ち帰って尋問してみたい」と言うラムに周りの上司をあきれさせていた。

この事件の被害者は、いまだに解決していない宝石店強盗事件の犯人グループの一人だった。ラムはこのグループの主犯格ウォン(ルイス・クー)を追跡していて、今まで何度か遭遇したが「自分は何も知らない、関係ない」と言うばかり。しかしラムが捜査するうちにある疑念が浮かんできた。


「オウムに尋問」など笑えてくる台詞で面白かった。香港警察物をたくさん観ているミッキーはちょっとわかりにくいところがあったが、出ているのがルイス・クーやルイス・チョンだから「観客賞」は当然かな。


🎬『ジャッリカットゥ』リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ監督/インド/91分

南インドのケーララ州にある小さな村で、大きな水牛が逃げ出した。村の男らは水牛を捕まえるために泥まみれになる。水牛は畑を荒らし木をなぎ倒し暴れ回る。助けに入った権力者一味への日頃の鬱憤が、村の男たちを獣のように駆り立てていく。


全編、不思議な音や奇声で、泥まみれの戦いに巻き込まれたような感覚になった。

相当数(100人以上だったと思う)の男たちが大声でどなりながら村全体を走り回り水牛を追うが、どうやって撮影したのだろうか。

とても変わった作品だったが、こういう異色作も映画祭だから観せてもらえるので嬉しい限りだ。

★題名の『ジャッリカットゥ』は南インドの「牛追い競技」のこと。
posted by ミッキー at 19:40| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする