🎬『バスターのバラード』イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン監督、脚本/アメリカ/2018年
アメリカの開拓時代のお話が六話の短編で綴られている。
一話
歌を歌いながら白馬に乗った陽気な男(ティム・ブレイク・ネルソン)が、寂れた町にやって来た。居酒屋での決闘であっけなく死亡。死んでも幸せ…というようにそのままの姿で天使になって昇天していく。
二話
荒野にある銀行。まわりにはなにもない。1人のギャング(ジェームズ・ブランコ)が強盗に入っていくが、たった1人きりの銀行マンにしてやられる。このギャングもいろんなことから縛り首に。
三話
旅まわりの見世物をする男(リーアム・ニーソン)は四肢のない若者に朗読をさせて金儲けをしている。若い男のあらゆる世話もしている。
そこに数字を理解するニワトリを操る人気見せ物を見て、大金を払いニワトリを譲ってもらう。手間がかかる四肢のない若者は……。
四話
大きな川の河べりに穴を等間隔で堀りながら、土の中から金を見つけていく男。連れは馬だけ。1メートル掘るとザルに土を入れて川で金の固まりを見ている。「だんだん粒が大きくなった」と新しい穴を堀はじめる。最後に大きな金の固まりを……。
この男も殺される!と思いきや。
五話
思い込みの激しい足の不自由な兄と都会にいく若い女アリス。都会には兄の決めた婚約者がまっている。そんな旅の途中で兄は病死。1人取り残されたアリスは旅斡旋業の男ナップに相談する。
これは女が主役といってもいい作品だが惜しいところで……残念な結末。
六話
馬車に乗っている客が4人ほどいて馬車の上には死体が括り付けられている。馬車のいく道を案内する男2人は「途中で下車することはならん!」と長旅を続けるが、着いたところは……。
六話一気にみた。思いがけない方向に行くがその先にはほぼ「死」が待っている。それも乾いた感覚の「死」で、それぞれが妙に覚悟していたように見えた。一番気に入ったのは三話。