ノーベル賞の候補にもなったラトビアの詩人ヒズマ・ベルシェヴィツァの子ども時代を描いている。

ちょっとヒステリー気味だが個性的な母親とお人好しの父親、時々一緒にいる文句ばかり言っているうるさい母方の祖母、近所の子供たち、そして嫌味たらたらの家主さんなど、ビッレの目を通して正直に描かれていた。
ビッレ自身は夢をみがちな「夢子さん」で友だちを誘ってユートピアに行こうとどんどん歩いていく。途中で疲れてへこたれていると馬車のおじさんに家までおくってもらうが「この先を行ってもそんなところはないよ」と言われてガックリ。
学校では異色の存在でイジメにもあうが教師は早くから才能の片鱗を見抜いていた。
母親は見栄っ張りなのかピアノもオルガンもないのにピアノレッスンを受けさせていた。ピアノの先生も指の形、鍵盤に手を乗せる形を見て「既に身についている」芸術への直感力に驚いていた。