『ケースのためにできること』モニーク・ノルテ監督/オランダ/87分/2014年/日本初公開
オランダのとある都市に住むケースは自閉症の44歳の男性。両親と兄2人の家族だが兄たちは独立していて今は3人暮らし。両親の助けでケースのこだわりの多い日常生活はこの歳になるまで滞りなく過ごすことができている。
ケースは不器用ながら口は達者で、監督に向かって「うちにくる時はミニスカートはやめてほしい、気が散ってしかたない」「扉を閉める時は静かに」と躊躇なく伝える。
そんな彼の趣味は自室で模型汽車を走らせること。日本語の漢字に興味があって日本語教師について学んでいるほどだ。
そんな一家にも年老いた両親が亡くなったら……という大きな問題が現実味を帯びてくるのだった。
素晴らしいドキュメンタリーだ!もし例年どおり国立アーカイブ(元・京橋フィルムセンター)で上映なら監督さんとケースさんが来日!という嬉しい計画もあったのでは?と思う。
監督さんのコメント動画もあってケースさんは二回も日本に来ていらっしゃるとか。騒音のだいっきらいなケースさんがどのように日本を楽しんだのか聞いてみたかった。
これは一般公開に手が届くほどの作品。これ一本(300円)だけでもご覧になっていただきたい。詳しくは https://eufilmdays.jp/