2020年06月08日

EUフィルムデーズ2020はオンラインで(1)ファイナル・カット』『リトル・マン』

欧州連合(EU)加盟国の在日大使館・文化機関が提供する作品を一堂に上映するユニークな映画祭「EUフィルムデーズ」。18年目となる2020年も、多くの作品紹介を予定していたものの、新型コロナウィルスの感染拡大のため、東京、京都、広島での開催は残念ながら中止となり「EUフィルムデーズ2020オンライン」と題したオンライン映画祭を青山シアターにて特別開催することとなりました。

EUフィルムデーズ2020 オンラインでは、日本未公開作品(7作品)や過去のEUフィルムデーズでご好評いただいた選りすぐりの作品を含む、20カ国21作品をお届けします。

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詳しくは https://eufilmdays.jp/

🎬『ファイナル・カット』パールフィ・ジョルジュ監督/ハンガリー/78分/2012年

男と女が出会い、恋に落ち、幸せな結婚をし、やがてすれ違い、別れの時を迎える。いつの時代にも表現されてきた普遍的な物語を、有名な450作品のカットを編集して製作。一世紀に及ぶ映画史を旅するような喜びと映画への愛にあふれた珠玉の作品。

450もの映画上映許可が難しいために一般公開はされていないが研究目的や映画祭のみで観ることができる。

例えば、男が目を覚まして大あくびをする。ひょいと時計を見る。起き上がって洗面所にいく。顔を洗う。歯を磨く。髭剃りをする。この一つひとつの動作をちょうどいいように各々別の映画から抜き出して一連の動作を作っている。そんなことが延々と78分続くのだ。ミッキーは初演のヨーロッパ映画祭と EU映画祭の2回見だが、このオンライン映画祭でもう一度見たい作品。

🎬『リトル・マン』ラデク・ベラン監督/チェコ/2015年

主人公は孤独を好む小さな紳士。彼は森の中に小さな木造の小屋を建てて一人静かに暮らし、これ以上の幸せはないぐらいに思っていた。1日1回くる郵便配達人が「うちに遊びに来いよ」と誘ってくれても生返事をするばかり。外に出るのは屋外に建てたトイレの時だけだ。

そんな彼だったがこの頃、夢で「お前には足りないものがある」と言う声が聞こえて飛び起きることが度々あった。自分に足りないものなどない。家も、暖かいベッドも、食べ物もある。足りないものなどないはずなのにと不思議に思い、その意味を知るために旅に出ることにした。


「人形劇」と知って少し気落ちした。どおりで子どもがいるわけだ。ストーリーも単純、友達や友情がかけているというテーマで、自然の風景の中で木造りの人形を頭から棒が出ていて棒の先を動かして演技させている。見るからに手作りの人形劇だった。

だが観ていくうちにそんなことは頭からスッと消えて物語の中に入り込んでしまった。素朴さの中に格言と童心がいっぱいつまっていた人形劇だった。
posted by ミッキー at 16:56| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする