
DVD『ミヒャエル』マルクス・シュラインツァー監督/オーストリア/96分
35歳の独身男性ミヒャエル(ミヒャエル・フイト)は、保険会社に勤めていて仕事はこなすが、同僚と付き合わず、友人もいない。知り合いといえば、最近、家が近所だとわかった同僚のクリスタ(ギゼラ・ザルヒャー)ぐらいだった。彼には絶対に知られたくない秘密があった。
実は、相当広い自宅の1室に10歳の少年ウォルフガング(ダヴィド・ラウヘンベルガー)を誘拐、一室に監禁していたのだ。夕食の時だけ、少年を部屋から出して数時間を一緒に過ごして、次の晩まで部屋に監禁している。
ところが、ある日、ミヒャエルが交通事故にあって病院に入院するという事件が起きて……。

見た目、平凡なサラリーマンのミヒャエルだが、なんと自宅地下室には誘拐した子どもを監禁していた!!。そんな衝撃的な作品でミッキーの好みなので3回目。ミヒャエルは小児性愛的行為(画面では直接映していない)はするが、日曜には人里離れたところにドライブや好みのおもちゃを与えて、遠目からは仲の良い親子に見える。
ミヒャエル自身は保険会社に勤めていて、特別浮いた存在ではなく、周りの者、家族(母親、妹夫婦)も「あまり付き合いの良くない困った長男」と思っているだけ。捕まってしまった少年はもう抵抗するエネルギーもないようだ。
最後はどうなるのだろうとハラハラするが、こんなラストが待っていようとは……後味は良くないが、意表をつく見事な幕切れだった。